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IPO2021年6月8日

新規上場紹介 ステムセル研究所 6月25日 マザーズ 国内最大の民間さい帯血バンク

ステムセル研究所(7096)が6月25日、マザーズに新規上場する。

日本トリム(6788)の連結子会社で、再生医療を目的に、さい帯血及びさい帯の分離・保管をする「細胞バンク」事業を手掛けている。1999年に設立。さい帯血とは母親と赤ちゃんをつないでいるへその緒や胎盤の中に含まれている赤ちゃんの血液。同社は民間のさい帯血バンクとして、本人や家族が将来、何らかの治療に使うことができる可能性を想定し、有償で保管している。

顧客の妊婦らと委託契約を結んだうえ、国内の協力病院で採取されたさい帯血を回収し、自社の細胞処理センターで幹細胞を分離、抽出。超低温で長期保管している。細胞分離の際に必要な料金などの技術料収入がメインで、ほかに保管料収入などが入る。現在、十分な治療法のない小児の中枢神経系疾患や自閉症スペクトラム障害に対する再生医療・細胞治療の臨床研究が進められており、さらなる需要拡大が見込まれる。

2020年3月期の保管検体数は累計5万7494検体に上り、国内の約99%のシェアを有している。6月1日には最新のIoT技術を採用した国内最大規模、最新鋭の細胞保管センターを横浜市に開設した。既存施設と合わせ、保管できる検体は14万検体に倍増し、さい帯血だけでなく、さい帯、卵子などさまざまな組織、細胞の保管も可能になった。

コロナ禍で産科施設での母親学級が中止になり、21年3月期の新規保管検体数は5,695検体(前々期比21.3%減)にとどまった。ウェブ広告などインターネットを通じたマーケティング活動を深耕するなど認知度向上に努め、22年3月期は7,120検体とコロナ前に回復する水準を見込んでいる。

中長期的には他の周産期組織由来細胞への事業拡大、再生医療・細胞治療の進展による利用者拡大、アジアを中心とした海外展開を図る。

22年3月期の業績は売上高17億600万円(前期比21.1%増)、営業利益2億円(同2.3倍)を見込んでいる。(HS)

概要

●事業内容=再生医療を目的に、さい帯血およびさい帯の分離・保管を行う「細胞バンク事業」
●本社=東京都港区新橋5-22-10
●代表者=清水崇文代表取締役社長
●設立= 1999年8月
●上場前資本金=3億7,482万円
●発行済み株式数=512万3,300株(上場時)
●筆頭株主=トリムメディカルホールディングス(上場前89.5%)
●公募株式数=25万6,200株
●売出株式数=57万4,600株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が12万4,600株)
●仮条件=6月7日に決定
●ブックビル期間=6月9日から15日まで
●引受証券=野村(主幹事)、三菱UFJモルガン・スタンレー、SMBC日興、東洋、いちよし、エース、SBI

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2020.3 1,676 382 57.01 0
2021.3 1,409 92 12.81 0
2022.3(予) 1,706 196 26.96 0
※単位100万円、1株利益は円

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