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IPO2024年2月27日

新規上場紹介 ソラコム 3月26日 グロース IoTプラットフォーム「SORACOM」の開発・提供

ソラコム(147A)が3月26日、グロースに新規上場する。ユーザーがIoTを導入・運用する際に直面する課題を解決するIoTプラットフォーム「SORACOM」を提供している。具体的にはIoTデバイスやIoTSIM、必要な通信回線、データ保存や可視化アプリケーション、ネットワークサービスなどをプラットフォームサービスとして提供、ユーザーはSORACOMを利用することで、効率よくIoTサービスを立ち上げることができる。同社はKDDIの連結子会社で、KDDIグループの「ネクストコア事業」(顧客企業の多様な働き方、ビジネス変革、事業成長を支援するソリューション提供事業)を担う子会社として位置付けられている。

同社のサービスはクラウド上にモバイル・コア(端末の制御、加入者情報管理、通信経路設定など行うモバイル通信の基幹システム)を独自に構築することによって、IoTに特化した通信サービスをコスト競争力のある価格で提供できる。サーバー、交換機、データセンターなどの機能をソフトウェアによりクラウド上に構築しているため、設備投資や更新費用の負担を抑えることができる。

収益は、「リカーリング収益(プラットフォーム利用料)」、「商品販売」などで構成されている。リカーリング収益は主に、IoT向けの通信接続を提供する通信サービス(コネクティビティ)を「SORACOM Air」の名称で展開。従量課金による継続収入で、リカーリング収益の主要な収益源となっている。このほか、携帯電話向け周波数帯である2G/3G/LTE/5Gに対応したデータ通信SIM「IoT SIM」による通信サービス、省電力と長距離伝送を特徴とするLPWA通信などを提供している。さらに、VPN接続や物理専用線でIoTデバイスから各種クラウドや顧客データセンターまで安全に接続できるネットワークサービスをデータ利用に応じた従量課金で提供している。

商品販売は通信用IoT SIM、通信モジュール、USBドングル、カメラ・GPS・センサーなどIoTデバイスなどの商品を仕入販売している。

同社のプラットフォームは、グローバルに提供できるB2Bプロダクトで、日米欧の世界三拠点で販売体制を持ち、海外拠点の強化を進めている。また、これまで進めてきた多業界への水平展開に加え、その業界特有の課題を解決する垂直的な展開を進め、大規模案件の安定的な獲得、収益の向上を目指すという。(M)

概要

●事業内容=IoTプラットフォーム「SORACOM」の開発・提供
●本社=東京都港区元赤坂一丁目5 番12 号住友不動産元赤坂ビル9階
●代表者=玉川憲代表取締役社長
●設立=2014年11月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=4,322万809株(上場時)
●筆頭株主=KDDI(上場前58.22%)
●公募株式数=473万3,800株
●売出株式数=607万1,500株(ほかにオーバーアロットメントで160万700株)
●仮条件=3月6日に決定
●ブックビル期間=3月7日から13日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、大和、野村、SMBC日興、岡三、東海東京、松井、マネックス、楽天

業績推移(連結)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2022.3 5,450 465 8.76
2023.3 6,299 112 1.84
2024.3(予) 8,031 592 11.31
※単位100万円、1株利益は円

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