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インタビュー2022年6月20日

トップインタビュー NEW ART HOLDINGS 代表取締役会長兼社長 白石幸生氏 もっとも心から深く強く「株主を想う」会社

5期連続増配も還元は「緩めない」

第1四半期の終了を待たずして早くも増配を発表したNEW ART HOLDINGS(7638・東証スタンダード)。日本最大級のアートジュエリー専門店「銀座ダイヤモンドシライシ」を1994年に開業、近年はエステティックサロン運営やアートファンド組成、リゾート開発など事業多角化を進めて着実に成長を続けている。

私には、少なくとも日本の上場企業の中ではもっとも強く株主の立場で想っている経営者だという自負がある。

会場で直接対話するセミナーなどIR活動を近年強化しているのだが、ぐっと身近になった株主の存在が、今では、私の経営意欲を掻き立てる強い原動力になっている。個人投資家の皆さまが貴重な資金と時間を当社に費やし、結果、価値が向上して喜んでいただけることは、私にとっても生きがいなのだ。

なにより資金と時間は、個人投資家の皆さまだけでなく私にとっても貴重なもの。一切、無駄にはしない。今3月期は売上高193億円(前期比3.1%増)、経常利益32億円(同8.8%増)を計画しているが、すぐ先には売上高1,000億円、経常利益100億円という景色をイメージしているし、布石も打っている。

5~7年後、売上高1,000億円をイメージ

とはいえ足元では急速に進む円安など不確実性が高まっていることも事実だ。前期は売上高で20%増を計画していたものの、コロナ禍の影響が想定より長引きエステティックサロンが営業できなかったこともあり、終わってみれば横ばいだった。

そのため当社は今後、業績については3カ年計画をとりやめ、1年ごとに切り出して投資家の皆さまと共有することとした。ただし経営はもっと長いスパンに基づくものであり、例えば先述した売上高1,000億円は5~7年後には到達するべき場所だと考えているのだが、こちらの前提には変更はない。

ちなみに今期の予想については、エステティックサロンの営業再開と貸倒引当金の取り崩しなどを考慮すると、かなり抑え目の数字であることは申し添えておきたい。

「みんなのため」は事業だけにあらず

「みんなの夢の企業グループ」、これは当社ウェブサイトを開くと誰もが目にする企業理念だ。株主も社員もみんな一緒に幸せになることを目指している。きれいごとではなく、主軸のブライダルジュエリー販売やエステティックサロンなど、当社の事業はすべて「お客様のため」。そんなビジネスに真剣に取り組む企業は、投資家の皆さまにとっても信頼するに足る存在であるべきだと本気で考えている。

かつて隆盛を誇っていた米GAFAを筆頭とするIT株などが総崩れ状態にあるが、これはまさしくゲームチェンジ。株主の幸せを本気で考える企業が見直されるための調整期間なのだろう。だからこそ当社は先日、第1四半期の終了を待たずに今期配当を70円から100円に引き上げた。投資家の皆さまには是非とも当社を信じて株を持ち続けていただきたい。

そのためにも連続増配が重要だということは認識している。還元策を強化するためにも、当社は既存事業をしっかりこなしつつ、新規事業も加速させる。1967年から続けるギャラリー経営で育んだ「アート」、つまり「美」を中心に、足元では新国立競技場を手掛けたことでも知られる著名建築家、隈研吾氏が手掛けるブライダル施設、そして、彼にとってもチャレンジとなる「皮」製品など、新しく、そして美しく価値のある事業を創造し、世に広めることで、当社は唯一無二の存在であり続ける。