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IPO2020年2月10日

新規上場紹介 ウイルテック 3月6日、東証2部 電子部品の製造請負が中心

ウイルテック(7087)が3月6日、東証2部に新規上場する。

製造請負・製造派遣事業、機電系(弱電系)技術者派遣事業などのマニュファクチャリングサポート事業が売上高全体の約70%を占める。主要取引先は半導体など電子部品関連分野。ほかに、建設系技術者派遣事業(コンストラクションサポート事業)、受託製造や電子部品の卸売を行うEMS事業を展開している。

製造請負とはメーカーを顧客として、一般的に顧客の工場などの一部を借受けて事業所を設置し、顧客と契約したものを製造する事業。製造派遣とは、人材派遣会社に登録している者を取引先の事業所へ派遣し、派遣先の担当者の指揮命令のもとで労働サービスを提供する労働者派遣事業の一形態。機電系技術者派遣は機械設計開発からLSI設計開発、ソフトウエア開発まで幅広いニーズに対応している。

マニュファクチャリングサポート事業の2020年3月期の上期(昨年4~9月)は半導体関連メーカーの減産の中で営業強化の成果もあり、前年同期に比べて12.5%増収に。下期にかけては既存事業先におけるシェア拡大や新規顧客開拓などで、通期の売上高は176億8,100万円(前期比10.4%増)を見込んでいる。

コンストラクションサポート事業は、大手ゼネコンをはじめとする建築・建築設備・土木・プラントの分野における技術者派遣が中心。建築関連の好況感が持続する中、上期は前年同期比で16.4%増収。九州圏などの新規顧客開拓など営業活動の強化で、通期の売上高36億800万円(前期比19.3%増)の見込み。

EMS事業は半導体関連メーカーの減産の中で期首は減少傾向だったが、受注製造の新規顧客開拓、ブザーなど自社開発商品や電子部品の卸売先開拓の効果でカバー。売上高(対前年同期比)は上期の7.0%減から下期は0.9%減と回復し、通期の売上高は36億2,100万円(前期比4.0%減)を見込んでいる。

これらの3事業のほかに、障がい者支援事業、畜産業、海外事業を展開している。

全体の業績は売上高250億100万円(前期比9.2%増)、経常利益11億4,300万円(同21.7%増)の予想。配当は年44円(うち中間配24円)の予定。

マニュファクチャリングサポート事業の売上高構成比が高く、その顧客は電子部品・デバイスなどのメーカー(32%)、情報通信機械器具メーカー(19%)など弱電系の製造に偏りがある。経営の安定性を高めるため、コンストラクションサポート事業、EMS事業の積極展開を進めていく。

概要

●事業内容=製造請負・製造派遣事業、機電系・建設系技術者派遣事業、受託製造事業
●本社=大阪市淀川区東三国4-3-1
●代表者=宮城力代表取締役社長
●設立=1992年4月
●上場前資本金=9,800万円
●発行済み株式数=605万8,500株(上場時)
●筆頭株主=小倉秀司(上場前64.74%)
●公募株式数=88万8,500株
●売出株式数=90万株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が26万8,100株)
●仮条件=2月18日に決定
●ブックビル期間=2月19日から26日まで
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、SBI、野村、大和、みずほ、岩井コスモ

業績推移(連結)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2018.3 20,001 994 156.76 14.2
2019.3 22,899 939 126.76 28
2020.3(予) 25,001 1,143 144.43 44
※単位100万円、1株利益、配当は円

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