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IPO2019年11月22日

新規上場紹介 JMDC 12月16日、マザーズ 医療データベースの構築・提供が柱

JMDC(4483)が12月16日、マザーズに新規上場する。

ノーリツ鋼機(7744)を親会社とする企業グループに属している。

医療ビッグデータの構築・提供やPHR(個人向け健康情報プラットフォーム)などのヘルスビッグデータ事業、遠隔医療事業、調剤薬局支援事業という3つの事業を展開している。2019年3月期における売上収益はそれぞれ約43%、約35%、約22%。

医療ビッグデータは同社の場合、主に保険者由来のデータを取り扱っており、民間事業者としては圧倒的な規模である703万人(19年4月末)の健康保険組合員のデータを取り扱っている。短期的には、健康保険組合の保険事業支援を強化してこの規模を成長させながら、製薬会社や保険会社などの産業界に提供できるデータベースを量・質ともに拡大することで収益性を向上させていく。中長期的には、健康保険組合および組合員に対して、データ解析により効果検証が可能な重症化予防などの健康増進プログラムを提供していくための健康情報プラットフォームを構築。組合員の健康増進と医療費の抑制に取り組んでいく。

遠隔医療事業が属する遠隔画像診断市場は利便性に対する医療機関のニーズ高まりによって、年平均約7%で成長している。同社は業界のトッププレイヤーとしてオペレーション改善によるコスト競争力強化や、24時間365日対応などサービス品質向上という差別化要因を構築している。新規事業として、遠隔画像診断の中国進出やAI関連テクノロジーを使った診断アシストプラットフォーム「AI―RAD」の開発にも取り組んでいる。

調剤薬局支援事業については、顧客である調剤薬局市場は既に成熟市場。システム販売の約80%は既存顧客の買い替え、約10%が既存顧客の新店開局、残る約10%が他社メーカーからの買い替えなど。今後もこの傾向は大きく変わらず安定して推移する見通し。

概要

●事業内容=医療データベースの構築と提供、PHRなどの健康増進サービス、画像診断などの遠隔医療、調剤薬局へのデジタルソリューションの提供
●本社=東京都港区芝大門2-5-5
●代表者=松島陽介代表取締役社長兼CEO
●設立=2013年5月
●上場前資本金=6億6,897万2,000円
●発行済み株式数=2,597万5,042株(上場時)
●筆頭株主=ノーリツ鋼機(上場前77.26%)
●公募株式数=200万株
●売出株式数=310万株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が76万5,000株)
●仮条件=11月29日に決定
●ブックビル期間=12月2日から5日まで
●引受証券=野村(主幹事)、みずほ、SMBC日興、三菱UFJモルガン・スタンレー、SBI、マネックス

業績推移(連結・国際会計基準)

売上収益 当期利益 1株利益 配当
2018.3 3,022 390 44.77
2019.3 10,064 1,010 47.73
2020.3(予) 11,206 1,259 51.86
※単位100万円、1株利益は円

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