LiNKX(584A・G)が6月23日、東証グロースに新規上場した。初値は公開価格を36%上回る1,075円。金融機関向けを中心に基幹システムなどのモダナイゼーション(現代化・最適化)を手掛ける。上場当日の記者会見でオサムニア・モハメッド代表取締役社長CEO(=写真中央=)が語った内容のポイントは次の通り。
日本企業の“変化への適用力”を強化
リンクスはレガシーシステムをモダナイズ(最適化)する懸け橋となって日本のIT課題を解決する。このモダナイゼーションで日本企業がグローバルで戦えるようシステムの競争力を高めていく。リンクスがサポートするのは優秀なエンジニアによるクラウドベースモダナイゼーションとAIベースモダナイゼーション(クラウドネイティブ&AI技術によるモダナイズ)だ。システムをモダナイズすれば日本企業はもっとはるかに柔軟に対応できる。
ハイエンド・エンジニアが集結
リンクスの強みは3つある。1つは優秀なエンジニアチーム。リンクスの社員は80%がエンジニア。そしてエンジニアの50%以上はグローバルエンジニアだ。世界トップクラスのコンピューターサイエンスやAIの知見を持つハイエンド・エンジニアがいる。CEOもCTOもグローバルエンジニアだ。エンジニアリング・ファーストを大事にしており、日本とグローバルの人が一緒にハイブリッドカルチャーをつくって働いているのがすごく良い。離職率も低い。
システム内部を可視化
2つ目はAI活用。私たちはAIをリスクではなく、好機と考える。簡単なエンジニアリングはAIで代替できるが、難しいモダナイゼーションはAIだけではできない。私たちは独自ソリューションの「LiNKX AXcelerator」を使ってAIでレガシーシステムを可視化している。このソリューションはケタ違いのインパクトがあって、今後の大きなアップセルにつながる。そして3つ目の強みは、金融機関のサポート実績。北國銀行のプロジェクトは日本で初めてのパブリッククラウドでのフルバンキングシステムの実績だ。難しい勘定系システムを攻略するためにAIを使っている。
成長戦略
クラウドモダナイゼーションとAIベースモダナイゼーションの2つでフロー型収入とストック型収入を増やしていく。この2、3年は特に大事。AIでマーケットにインパクトを残す必要がある。金融領域でAIソリューションを磨いたら、異業種に横展開する予定だ。また、AI活用を加速する。「LiNKX AXcelerator」でAIワークフローを増加させ、AIベースモダナイゼーションをもっと増やしたい。これは売り上げ成長をけん引するドライバーに必ずなる。
顧客構成
北國銀行のプロジェクトで次世代型の勘定系の開発の支援をしている。これをまず無事にローンチ(2027年)させるということが北國銀行にとっては非常に重要だし、われわれのビジネスにとっても勘定系で大きな実績ができるという意味では大きな節目となる。なのでここにまずフォーカスしながらも、われわれとしても顧客構成が偏っているというところは課題視しているので、北國銀行での実績を生かしてパイプラインを増やすというところは既に動いている。
システム刷新ニーズが旺盛
これまで手掛けてきたみんなの銀行や北國銀行はテクノロジーで先行している銀行だった。では、テクノロジーにあまり理解の無いお客さまにこれからどうアプローチしていくか。実はタイミング的にも非常に合っているのだが、AIの進化というのがわれわれを後押ししているところがある。AIを攻めの意味で使いたいというお客さまとAIに対する守り、攻めと守りの両方でこれまでテクノロジーに消極的だったお客さまも飛び込んでいきたいというニーズがかなり強い。そのニーズにわれわれはお応えしていく。
大手SIerの支援者に
(日立や富士通がAIを使ったシステム刷新事業を発表した。そうした大手の競合との差別化は、という質問に対し)まずこういう流れになってきていることはわれわれは非常に歓迎している。日本社会にとっても良いことだし、われわれにとって追い風だと思っている。なぜかというと、特に基幹系のところにAIを使っていくとなると、AIとレガシーと両方分かってないといけない。大手のシステムインテグレーターでもなかなかこの両方を満たすというのは難しいところがある。一方、われわれとしてはまずテクノロジーで尖っているところがひとつポジショニングを取れている。どうしても大手のSIerが、レガシーはわかるけどAIとの融合みたいなところが…という時に、われわれがそこを手助けする。実際そういうコラボレーションが起き始めているので、われわれとしては日立や富士通のような会社と競合するのではなく、イネーブラー(支援者)として逆にわれわれの強みを届ける、能力を使ってそういったSierたちをお助けし、日本の生産性を挙げていくことに貢献していきたい。(SS)
※速報版は最終的な校了前の紙面記事です。今後、修正等が入る場合があります。

