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コラム2021年3月19日

【本日のマーケット】3月19日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

3月19日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場は反落。NYダウは中盤までは続伸していたが、景気回復に伴いインフレが進むという見方から長期金利が一時1.75%まで上昇したため、終盤下落に転じた。NYダウは前日比153ドル安(0.46%安)の3万2862ドル。金利上昇が警戒され、テスラやアップル、アマゾン、AMDが売られたため、ナスダックは反落して始まり、後半下げ幅を拡大。2月25日の478ポイント安に続く今年2番目の下げ幅となった。ナスダック総合指数は前日比409ポイント安(3.02%安)の1万3,116ポイント。

本日の東京市場は、米国市場の下落を受けて反落でのスタート。大きく窓を開けての下落となったが、3万円の大台を回復する時間帯もあった。日銀金融政策決定会合は前日の観測報道通り、ETF買い入れ原則年6兆円増の撤廃と長期変動幅プラスマイナス0.25%程度が発表された。また、ETF買い入れがTOPIX型のみとなり、日経平均型への買いはなくなるため、日経平均寄与度の高いファーストリテイリングが売られ、日経平均の下げ幅は拡大。逆に、TOPIXは上昇。大引けの日経平均は424円安の2万9,792円。売買代金は4兆4456億円。TOPIXは3ポイント高の2,012ポイント。

新興市場はまちまちの展開。JASDAQは11連騰。メディアリンクスはPTP(次世代プロトコル)を利用した放送TS信号のIP伝送実証実験に成功しストップ高。五洋インテックスはナスクナノテクノロジーと共同開発した抗ウィルスカーテンの販売開始でストップ高。対して、アビリッツやウエストHD、綜研化学が下落。マザーズ指数は4日ぶりに反落。BASEやメルカリ、識学が売られた。一方、サンバイオは野村證券による目標株価引上げを材料視し上昇。

チャート上では、5日移動平均線(2万9922円)を割り込み、25日移動平均線(2万9654円)で下げ止まった格好。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日銀が金融政策の変更に踏み切りました。金曜日に金融政策決定会合の結論を発表し、長期金利の変動幅をそれまでの「プラスマイナス0.2%」から「プラスマイナス0.25%」に拡大しました。

それと合わせて、議論の集中していたETFの買い入れ枠についても、6兆円の買い入れのメドを削除して年間の上限12兆円だけとしました。

正式な発表に先立つ木曜日の午後には新聞報道でその一端が明らかにされ、さっそくメガバンクから地銀に至るまで銀行株が軒並み急上昇しました。短期金利と比べて長期金利がより上昇しやすくなることで利ザヤを確保しやすくなり、融資活動が活発になるとの見方がさらに勢いづいています。

日銀の金融政策は日本に影響するだけにとどまりません。世界のマネーフローに少なからぬ影響を及ぼします。金曜日の決定会合の内容の一部が日本時間の木曜日昼過ぎの一部報道で伝えられたのを受けて、その晩のNY市場で米国の長期金利が1.73%まで急上昇したのは偶然ではないと思います。

こうなると日銀はうかつな動きはとれなくなります。主要国は今後ますます協調して超緩和的な金融政策を続けざるを得ない状況になったとみられます。機動的な行動は一段と取りづらくなり、そうしてバブルの雰囲気が醸成されてゆくのでしょう。ここから大きな上昇相場が待ち構えているように思えてなりません。

※【動画】NSJヘッドラインに特別ゲスト出演。2021年の展望を伺いました。是非ご覧ください!

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注目記事 Pick up
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【強い相場の象徴 二つの+3%以上】
日本証券新聞3月22日(月)紙面1面記事掲載 

市場分析士 荒野浩

コロナ禍で記録した安値から1年が経過しました。この1年で、数年に一度あるかないかの強い相場を我々は2回経験しています。1度目は3月安値から6月8日戻り高値までの52日、6,625円の上げであり、2度目は10月末安値から、2月16日高値まで71日、7,107円の上げです(終値ベース)。どちらも7回の台替わりを達成しています。めったに起こらない値動きであり、それを1年で2回記録したということは常識的にはあり得ない強さです。

相場の勢いを示す「モメンタム」は20日平均の20日前比較で測ります。20日平均の20日前比が「プラス」なら、堅調相場、常に押し目買い。「マイナス」なら、軟調相場ということになります。昨年4月から、「プラス」期間(4月24日~3月19日)が続いています。下がりにくい相場が継続していることになります。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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3月19日(金)☆[概況/大引け] 

日銀がETF買い入れをTOPIX型のみとしたため、ファ-ストリテイングが売られ、日経平均は下げ幅拡大。TOPIXは小幅高に

大引けの日経平均は29,792.05円の424.70円安、TOPIXは2,012.21ポイントの3.70ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,491、値下がり銘柄数は623。出来高は21億187万株、売買代金は4兆4,456億円。
日銀金融政策決定会合でETFの買い入れがTOPIX型のみとなったため、日経平均は下落した。日経平均への寄与度が大きいファーストリテイリングが売られ、キッコーマンやコナミも悪影響を受ける銘柄として下落した。

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