TOP  NSJアップデート  コラム  【本日のマーケット】7月31日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿
コラム2020年7月31日

【本日のマーケット】7月31日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

7月31日(金)のマーケット                                                                   

前日のNY市場では、NYダウが反落。4~6月期のGDPが年率換算で前期比32.9%減で景気悪化で原油安となり、石油株が売られ、また長期金利の低下で金融株が下落しました。一方、ナスダックは続伸。アマゾンやアップル、クアルコムが上昇。本日の東京市場は6日続落。決算発表の最初のピークを迎えて手控えムードの中、アドバンテストの通期の営業利益計画がネガティブ視されストップ安となり警戒感が高まりました。後場からは、東京都の新規感染者数が463人と発表され、下げ幅を拡大する展開に。また、トランプ大統領が大統領選挙の延期を提案したことで政治の不透明感からドルが売られ、104円台まで円高が進行したことも嫌気されました。大引けは629円安の2万1710円と1ヵ月ぶりに2万2000円割れ。

新興市場も下落。JASDAQ指数は4日続落。ワークマン、テラ、ストリームメディアが売られました。大塚家具が大幅安。対して、セプテーニは業績上方修正で買われ、東映アニメは減益決算だったがアナリスト予想を上回ったことで上昇。マザーズ指数も続落。メドレー、オンコリスバイオ、ステムリムが売られました。一方で、PSSは大幅続伸。プロパティデータは野村総研との協業でストップ高。

チャート上では本日の下落で、200日移動平均線(2万1954円)を割り込んでおり、目先は6月15日の安値2万1529円が意識されるところです。週足では一目均衡表の雲の上限から押し戻される展開。ボリンジャーバンドの-2σ(2万1899円)も下抜けており、短期的な株価下振れの警戒感も。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  

鈴木一之です。東京オリンピックの開会式が予定されていた先週、祝日をずらして4連休とした7月23日(木)からマーケットおよび世界情勢が、ぐっと変化のスピードを増したように感じられます。いくつかの大きな変化が同時に発生しています。

4-6月期のGDP統計を見るまでもなく、米国経済の悪化は避けられません。日本もそうですが、世界各国が感染の拡大防止策と経済のさらなる悪化の食い止め策との綱引きに四苦八苦しています。

そこに企業決算の発表が重なってきます。米国企業の決算がテクノロジー企業を中心として、予想以上に実績のよいものが多いという印象があります。それにあやかって日本でも3月決算企業の決算内容にすがる思いや期待がここまで根強くありました。

しかし現時点では、それは少し楽観的過ぎたということになるでしょうか。ここまでのところ市場における厳しい評価を下される企業が多いのが実情です。

株価の大底をとらえる上で、肝心な点は変化率です。コロナ危機前の元の利益水準に戻るのを待つ必要はなく、業績に関して大底が入りさえすれば株価はボトム打ちから反転します。現状では市場全体がそのタイミングを待っていることになります。

少数の強い銘柄が買い進まれ、大多数の弱い銘柄が売られるという極端な二極化相場はもうしばらく続く可能性が高そうです。向こう3か月間のうちのどこかで、その流れが逆転するかどうか、重要なのはその点だと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【相場を斬る(59)
日本証券新聞8月3日(月)紙面1面記事掲載 

押し目買いスタンス継続 中期上昇トレンド下の持久戦に

「平賀源内」――。江戸中期の蘭学者で、歴史の教科書で覚えのある方も多いと思われる。エレキテルの発明で知られ、浄瑠璃の台本、油絵などにおいても一流の才能を発揮するなど、天才の名を欲しいままにした江戸の有名人だが、「土用の丑の日」に鰻を食する習慣を広めたことを知る人は少ない。

現在まで長きにわたり、夏場の鰻は食文化の「風習としての旬」に位置付けられているが、「本来の旬」は秋から冬にかけてであり、旬から外れ、味が落ちた夏場の鰻は、当時でも客から見向きもされなかったと言われている。

この状況に窮した鰻屋が、知恵者源内に販売促進策を相談したわけだが、それに対する源内流の回答が「土用の丑の日」誕生のきっかけなのである。暑い夏を乗り切るため、鰻の滋養強壮を強調した宣伝文句に加え、店先に「本日土用丑の日」と書いた大きな看板を置いたところ、昨今のタピオカブームではないが、新しいキャッチフレーズに反応した江戸っ子たちの目に留まり、瞬く間に商売大繁盛となったと伝えられている。

その後、ほかの鰻屋がこぞってこのフレーズを真似たことが、風習として根付く要因になったことは言うまでもない。

日銀ETF買いの援軍効果

「一の丑」の鰻もつかの間、コロナ新規感染者数の増加により、第2波到来かと気をもむ向きも多いかと思うが、以前お話しした通り、コロナに対する不安心理をそのまま相場に持ち込む愚は避けたいものである。

身を守るためにコロナ第2波に備えることは必要だが、いかに相場の第2波をとらえるかが肝要なのである。

6月上旬以降、短期トレンド調整とボラティリティ縮小の二点について警鐘を鳴らしてきた。

・・・続きは紙面・Digital版で!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus

今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

7月31日(金)☆[概況/大引け] 

日経平均は昨年5月以来の6日続落。アドバンテストのストップ安や都内の新規感染463人で投資家心理が悪化

大引けの日経平均は21,710.00円の629.23円安、TOPIXは1,496.06ポイントの43.41ポイント安。東証1部の値上がり銘柄数は134、値下がり銘柄数は2,032。出来高は16億7,899万株、売買代金は2兆7,815億円。
日経平均は6日続落となり、昨年5月に米国による対中関税引き上げを危惧して7連敗に見舞われた時以来の調整期間となった

詳しくはコチラ

関連記事