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コラム2022年4月15日

【本日のマーケット】4月15日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

4月15日(金)のマーケット                                                                   

4月14日の米国株式市場は反落。NY連銀のウィリアムズ総裁が5月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利上げを検討するのが妥当との考えを示したことで、長期金利が上昇したことが警戒された。テスラのCEOがツイッターに買収提案したことで高寄りしたが、実現は不透明という見方から買いが続かず、値下がりで取引を終えた。 NYダウは前日比113ドル(0.33%)安の34,451ドル。長期金利の上昇を受けナスダックは大幅安となった。テスラはCEOが買収資金捻出のために保有株を売却するのではという観測で下落。アップルは中国でiPhoneの生産を受託しているペガトロンの工場が上海の都市封鎖の影響で2工場の稼働を停止していることが嫌気された。NASDAQ総合指数は前日比292ポイント(2.14%)安の13,351ポイント。S&P500指数は前日比54ポイント(1.21%)安の4,392。

米国株安で日経平均は朝方387円安。その後、先物に断続的に買戻しが入り急速に下げ幅を縮め、一時はプラス圏となる場面も見られた。プライム市場では、ファーストリテイリングが欧米の利益貢献拡大で大幅高となったことが寄与して日経平均を184円引き上げた。Gunosyは業績上方修正でストップ高、ディップは今期大幅増益予想で高騰。半面、上海のロックダウンで米アップルの取引先工場が稼働停止となっているため半導体関連や電子部品は安い。良品計画は減益予想に下方修正し売られた。わらべや日洋は光熱費増加で野村証券が目標株価を下げた。

スタンダード市場では、幸和製作所はコロナの影響で介護ロボットの実証実験を実施できず、今期減益予想で大幅安。フルヤ金属とジャパンエンジンは反落。新生銀行は今後3年で公的資金返済姿勢を好感。名村造船とウエストHDが続伸となり、NCNは業績上方修正で買われた。

グロース市場では、識学は講師採用増と広告宣伝費の負担により決算が計画未達となり、ストップ安。アスタリスクは上期決算が計画を下回り急落。一方、関通はキヤノンITソリューションズと資本業務提携でストップ高。サイエンスアーツは業績上方修正でストップ高。

日足チャート上では、反落となったが陽線となり25日移動平均線(2万7,092円)を死守。一目均衡表の雲抜けも達成。来週は75日移動平均線(2万7,268円)までの戻りが試される。週足では13週移動平均線(2万6,988円)上に浮上。長い下ヒゲを引き、下値抵抗を感じさせる。来週は上方を走る26週移動平均線方向を期待したいところ。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から50日が経過しました。事態の好転は一向に見られません。その日を境に世界は180度変わったと言われますが、ますます混迷の度合いを深めているように思えてなりません。

物価の上昇が止まりません。米国では3月の消費者物価指数が前年比+8.5%と40年ぶりの高い伸びを記録しました。3月半ばのFOMCではいち早く政策金利の引き上げを決定しました。

続いて今週はカナダ、韓国、ニュージーランドが相次いで政策金利の引き上げを決定しました。

ECBは4月14日に開催された理事会で、現在0.25%の政策金利を据え置きとしましたが、量的緩和策は段階的に縮小させる方針を固めました。加えて量的引き締めも「7~9月期には終了する」と声明文に明記しています。

ユーロ圏の3月の消費者物価指数も前年比+7.5%と過去最高の伸び率を続けています。ECBのラガルド総裁は「インフレはここから急激に上昇し数か月は高止まりする」との見通しを明らかにしています。

物価上昇との闘いは始まったばかりで、しばらく勢いは止まらないでしょう。世界経済は景気鈍化、後退の瀬戸際に立たされています。ゼロコロナ政策に固執する中国は最大都市・上海にまでロックダウンを課しており、それが世界経済の先行きを大きく左右すると見られます。ここからの数週間がカギを握ることになりそうです。

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注目記事 Pick up
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【弱気ガイダンス常連組に注目
日本証券新聞4月18日(月)紙面1面TOP記事掲載 

視界不良の決算発表シーズンを乗り切るには…

米国株反落を受けた15日の日経平均は、朝方の387.08円安から10時すぎに31.77円高まで切り返した後、一時は再び200円近い下げとなるなど神経質な展開。欧米や香港市場がイースター休暇ということもあって、先物主導の“空中戦”の様相か。

全般軟調な展開で指数を支えたのが、日経平均寄与度トップ(約8.4%)のファーストリテイリング(9983・P)。1銘柄で185円弱押し上げた格好だ。手掛かりとなった14日引け後発表の決算内容などは別掲記事の通りだが、一時9.3%高と激しく反応した背景にあるのは、必ずしも単純な材料評価や、あるいは投機筋の動きなどだけではない。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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4月15日(金)☆[概況/大引け] 

日経平均は78円安。ファーストリテイリングが大幅高で指数の下げは小幅にとどまったが、電機株が安い

大引けの日経平均は78円安の2万7,093円、TOPIXは11ポイント安の1,896ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は434、下落銘柄数は1,350。出来高は8億8,006万株、売買代金は2兆448億円。
米国金利上昇による米国株反落を受けて、日経平均も朝方387円安となった。
その後下げ幅を縮めたが、国内と中国は減益となったものの、欧米や韓国、ASEANなどの収益改善が評価されたファーストリテイリングが大幅高となったことが寄与した。ファーストリテイリングの上昇寄与度は184円。

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