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コラム2022年10月7日

【本日のマーケット】10月7日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

10月7日(金)のマーケット                                                                   

10月6日の米国株式市場は続落。ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は、基調的なインフレが低下しているという証拠が出るまでは利上げの一時停止に賛成しかねると指摘し、インフレがピークに達したという証拠はほとんどないと述べた。シカゴ地区連銀のエバンス総裁は現在、3.0~3.25%の政策金利は2023年春までに4.5~4.75%に向かうだろうと発言。FRB高官から利上げ継続に積極的は発言が相次いだため、金利が上昇し、米国株は続落となり、NYダウは再び3万ドルを下回った。ツイッターは続落となり、ベライゾンやJPモルガン・チェースが売られた。NY原油先物は続伸となったため、石油株も続伸となった。NYダウは前日比346ドル(1.15%)安の29,926ドル。ナスダックも続落。テスラやマイクロソフトが売られ、ネットフリックスは買われた。NASDAQ総合指数は前日比75ポイント(0.68%)安の11,073。S&P500指数は前日比38ポイント(1.02%)安の3,744。

FRB高官からタカ派発言が相次ぎ、米国株が続落となったため日経平均は5日ぶりに反落。プライム市場では、米国の金融引き締めによる景気減速への警戒で米銀が売られた影響で三菱UFJも下落。セブン&アイやリクルートといった米国関連も安く、海運も軟調。一方、ロームは上期の営業利益予想の上方修正が好感され、レーザーテックにも連想買い。エノモトはSBI証券による新規「買い」で高騰。来週11日からの全国旅行割の接近でHISなど旅行関連が高い。

スタンダード市場では、クルーズとソレキア、不二硝子、大阪油化が反落し、REMIXが続落となった。一方、JHDは中期経営計画を発表し、M&A推進と利益目標が注目されストップ高。太洋工業はフレキシブルプリント配線板の米国医療機器市場における販路を開拓しストップ高。

グロース市場では、ビジョナルと霞ヶ関キャピタル、DWTIに利食い売り。マイクロ波化学が高騰。colyは大手企業と協業し、オリジナルオンラインゲームの企画開発運営を行うと発表しストップ高となった。ピクスタは高品質な3DCGで制作した人物素材の販売で高い。

日足チャート上では頭を押さえられていた5日移動平均線を一気に飛び越えて、2万7,000円台を回復。9月15日以来、パラボリックが陽転を示現するなどテクニカル指数の好転も見られる。次は2万7,300~400円台に集中する25日移動平均線、75日移動平均線、200日移動平均線を抜けられるかがポイントとなるが、その上方には分厚い一目均衡表の雲領域も控えている。週足では大陽線を示現。底入れをうかがわせるチャート形状となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週から10月相場が始まりましたが、さっそく波乱の展開となっています。日経平均は週初から大きく値を戻す展開となりました。

日本では2月/8月決算企業の決算発表が始まっており、こちらは想像以上に堅調で市場の最後の一線を支えています。今週、注目を集めたのは乃村工藝社(9716)の決算です。

10月6日(木)の引け後に発表された乃村工藝社の2023年2月期・第2四半期の決算は、売上高が474億円(前年比+8.6%)、営業利益が10.4億円(+13.1%)となりました。通期でも増益基調になりそうなペースで推移しています。

発表された第2四半期の内容からは、各商業施設のリニューアル、リオープンに向けた受注が想定された以上に活発化している様子がうかがえます。中でも伸びているのがデパート、量販店、ショッピングモール、テーマパークからの需要です。企業のショールームなどPR活動も活発化しているようです。

ここからはインバウンド需要のさらなる回復に伴って、商業施設、博物館、イベント会場からの投資が増える可能性が高いと見られます。とりわけ企業の広報・PR活動は、リアルとデジタルの融合がかなりのハイペースで進んでおり、スマホをはじめデジタルツールを活用した集客・販促がますます盛んになっているようです。

乃村工藝社の決算が堅調であれば、日本の消費はかなりの部分が大丈夫であると見られます。このあたりが次の相場展開への突破口になってくるように思えてきます。

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注目記事 Pick up
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【JAL高値 どうなる水際規制緩和
日本証券新聞10月11日(月)紙面1面TOP記事掲載 

英FT紙も報道 「観光再開」効果に海外勢が高い関心

引け後の米雇用統計発表と3連休を控えた7日の東京市場。様子見気分の強い展開ながら、前夜のニューヨークダウ346.93ドル安の割には比較的底堅い動きを見せた。再びじわじわと進む円安も手掛かりに輸出関連株には堅調なものも散見されたが、業種別指数騰落率で33業種中プラスとなったのは陸運と空運のみ。言うまでもなく、インバウンド関連だ。円安は、訪日外国人にとっての購買力拡大=国内関連産業には需要拡大につながる。そして、10月11日は水際対策緩和&「全国旅行割」スタートの日。市場全体にとって“不安の3連休”もインバウンド関連には期待に満ちた時間となろうか。

注目を集めたのはJAL(9201・P)の9月15日高値2,711円更新だ。

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今日の市況概況
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10月7日(金)☆[概況/大引け] 

FRB高官からタカ派発言が相次ぎ、米雇用統計の発表前で買いが入りにくく、広範囲に下落

大引けの日経平均は195円安の2万7,116円、TOPIXは15ポイント安の1,906ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は500、下落銘柄数は1,254。出来高は11億1,196億円、売買代金は2兆7,195億円。
米国でFRB高官から利上げ継続に積極的は発言が相次ぎ、米国株が続落となったため、日経平均は5日ぶりに反落となった。
今晩の米国で9月の雇用統計が発表されるため、買いが入りにくく、広範囲に下落した。

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