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コラム2022年11月18日

【本日のマーケット】11月18日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

11月18日(金)のマーケット                                                                   

11月17日の米国でセントルイス連銀のブラード総裁がインフレを鈍化させるために政策金利を最低でも5~5.25%(現在3.75~4%)に引き上げるべきだと述べたため、米国株式市場は続落で始まった。売り一巡後は持ち直したが、終盤にだれて、小幅続落で取引を終えた。NY証券取引所ではセールスフォースはアナリストの投資判断引き下げで売られた。NYダウは前日比前日比7ドル(0.02%)安の33,546ドル。ナスダックではテスラやアマゾンは売られたが、シスコシステムズは売上見通しを上方修正したことで買われた。NASDAQ総合指数は前日比38ポイント(0.35%)安の11,144。S&P500指数は前日比12ポイント(0.31%)安の3,946。

日経平均は2万8000円の水準では上値が重く、週末の手控えで後場は小幅安。プライム市場では、レーザーテックがアバールデータによる保有株売却が判明し下落。ソフトバンクGはS&Pが格付け見通しを「ネガティブ」に下げた。チェンジやメドピアが売られ、海運が安い。損保株は決算発表前に先回り買い。NTTは大和証券が通信株のトップピックと発表。エーザイなどの医薬品が買われた。ミクニはインド2輪車メーカーから燃料噴射システム受注でストップ高。

スタンダード市場では、アバールデータが配当予想を大幅増額し高騰。ソフトウェアサービスは10月売上高が好調で値を飛ばした。株式分割と株主優待制度導入のロブテックスは大幅続伸。ムトー精工は自社株買い発表を好感。フェローテックやシンワワイズ、マツモト、光・彩は安い。

グロース市場では、マイクロ波化学が3日続伸。ラクオリア創薬は業績上方修正で買われた。リボミックはアカデミアとの共同研究について近日中に開示する予定と決算説明会で述べたことが注目され、ストップ高となった。バンクオブイノベやM&A総研、Aimingが売られた。。

日足チャート上では、週初はボリンジャーバンドのプラス2シグマにタッチし、その後は頭を抑えられる展開。昨日と本日は5日移動平均線を下回り、2万8000円を維持出ずに週末を迎えた。週足でも、ほぼ寄付き高値の陰線。上昇一服となったが、一目均衡表の雲の上で踏み止まっている。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。マーケットの内部では、世界的なインフレの現状とそれに対する政策当局のスタンスを確かめようと一進一退の動きを続けています。

それでも最近話題となったニュースの多さを見る限り、世界中が一斉に動き出しているということを感じます。

週前半の11月14日(月)には、米中首脳会談と日韓首脳会談が一度に開催されました。どちらも3年ぶりのことです。

この期間はコロナウイルスの感染拡大で、各国とも首脳クラスでも海外渡航が止められていました。それでも政治的に非常にむずかしい状況にあり、それがインドネシアで開催された「G20」に舞台を借りて、いともあっさりと首脳会談が実現してしまいました。

バイデン大統領と習近平総書記が対面での会談を実現したからといって、両国の懸案事項のすぐに解決するとは考えられません。今回の3時間の会談で何が議論されたのか、現時点では知るすべもありませんが、台湾への武力行使や先端技術の輸出禁止の問題に関して、ここから明らかになってくる事実関係を追いかけてゆく必要があります。

加えてインバウンド消費に関する話題も、折に触れて触れる機会が増えました。10月の訪日外国人数は49.8万人が来日したそうです。9月より2倍以上に増えています。

東京のターミナル駅周辺を歩いていると、実際に海外からのお客さんたちが目立って増えています。ホテルやデパート、飲食店、航空会社、鉄道会社へのプラスの効果は絶大です。これらの変化がどこに行く着くのか。目を凝らして追いかけてゆきたいものです。

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注目記事 Pick up
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【どうなる“NISA迷走劇”
日本証券新聞11月21日(月)紙面1面TOP記事掲載 

万難排し恒久化を! 「貯蓄から資産形成へ」の切り札に

来年度の税制改正大綱がまとまるのは例年12月半ばごろ。今は詰めの議論が行われているタイミングだが、ここにきて、今回の目玉であるべきNISA(少額投資非課税制度)拡充を巡って“異変”が発生。乱れ飛ぶ報道が市場筋の関心を掻き立てている。

最初に波紋を広げたのが、15日朝に配信された東洋経済オンライン「『NISA恒久化』暗雲、非課税期間の延長は無理筋か 『口座開設期間』延長でお茶を濁す案も浮上」との記事だ。

政府は2024年1月の新制度移行を目指しているが、金融機関サイドのシステム改修に想定以上の時間がかかることが判明。そこで金融庁内で「非課税期間」ではなく、「口座開設期間」を無期限延長にする案が浮上していると伝えている。

岸田文雄首相がニューヨーク証券取引所で日本への積極的な投資を呼びかけたのが9月22日。「予算、税制、規制改革といったあらゆる政策を総動員する」と大見えを切り、NISA恒久化検討を表明していたが、それから2カ月足らずで迷走状態に陥ったのか…。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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11月18日(金)☆[概況/大引け] 

小幅安。レーザーテックとソフトバンクGが売られ、保険と医薬品は高い

大引けの日経平均は30円安の2万7,899円、TOPIXは0.7ポイント高の1,967ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は987、下落銘柄数は753。出来高は11億2,625万株、売買代金は2兆9,864億円。
日経平均は2万8,000円の水準では上値が重く、週末の手控えで後場は小幅安となった。

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