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コラム2024年3月1日

【本日のマーケット】3月1日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

3月1日(金)のマーケット                                                                   

2月29日の米国株式市場は反発。1月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比2.4%上昇し、12月の2.6%上昇から伸び率が縮小した。市場予想も2.4%上昇。インフレ懸念が緩和したことで金利が低下し、ハイテク株中心に買われ、ナスダックとS&P500は最高値を更新した。AMDやアマゾン、スーパーマイクロコンピューターが買われた。一方、クラウド技術を活用したビッグデータの保管・分析サービスを提供するスノーフレイクは業績見通しがアナリスト予想を下回ったため大幅安となった。NYダウは前日比47ドル(0.12%)高の38,996ドル。NASDAQ総合指数は前日比144ポイント(0.90%)高の16,091。S&P500指数は前日比26ポイント(0.52%)高の5,096。

NASDAQとS&P500の最高値更新を受け、日経平均も大幅幅に最高値を更新し4万円に接近。アドバンテストなどの半導体関連と高配当利回りの川崎汽船が買われ、政府クラウド関連のさくらインターネットが大幅高。第一生命は株主優待制度の導入で買われ、MS&ADは株式分割の発表が好感された。日東紡はAIサーバ向けでNEガラスの需要が拡大しているため買われた。半面、王子などの紙パルプとイオンやトリドールが属する小売が安い。

スタンダード市場では、DNAチップ研が3日連続ストップ高。日本電子材料とジャパンエンジンが続伸。ハンカチやスカーフの専門商社の川辺は業績上方修正と増配に加えて創業100年記念配当も発表し大幅高。フォーサイドは反落し、大日光は中期経営計画を発表したが出尽くし感で下落。

グロース指数は続落。QPS研が反落し、直近新規公開株の光フードとCocoliveが大幅安。LaboroAIは反発し、ジェイドグループはファッションECのマガシークを子会社化でストップ高。サイフューズは京大などと三次元神経導管移植で急騰した。

日足チャート上では、大陽線となるローソク足。5日移動平均線を大きく突き抜け、4万円の大台寸前のところまで駆け上がった。週足では、5週連続の陽線で上値を切り上げる強い形状。過熱感もうかがえ、大台替わりとなると達成感から一旦調整が有っても良い水準。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日経平均が史上最高値を更新して1週間が経過しました。株式市場の内外で大きな変化が起きています。

大手損害保険4社は6兆円を越える政策保有株式を、今後数年かけてすべて売却する方向を固めました。金融庁からの指導を受けた措置とされていますが、保守的な経営に専念しがちな日本の金融機関の行動からすれば画期的なことです。

現在の株式市場では、株価が長期にわたって低迷状態にある企業が数多く見られます。こうなると、株価が上昇していない企業、横ばい状態を続けている企業の株主の間には不満が蓄積します。

そのような企業の経営者は、企業家として経営者としてどうするのか。何もしないという選択はあり得ません。ここからは企業発の新しい経営計画、事業プラン、企業同士の合従連衡が相次いで発表されることになりそうです。

株価が新高値を更新したことで、日本企業を取り巻く環境は大きく変わり始めました。企業経営を株式市場が突き動かしてゆくことになります。これがこの1週間で起きた最大の変化のように感じられます。

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【日経平均 4万円乗せ目前 ハイテク主導
日本証券新聞3月4日(月)紙面1面TOP記事掲載 

ナスダックが2年3カ月ぶり高値

日経平均(日足)

名実ともに月替わりとなった3月1日の東京市場では日経平均株価が前日比824.04円高の3万9,990.23円まで上昇、初の4万円大台乗せにあと10円に迫った。終値は744.63円高の3万9,910.82円で3日ぶりの最高値更新。

牽引役はやはり、生成AIを中心とするハイテク株だった。内外の投資家が注目していた米1月のPCE(個人消費支出)物価指数が、2月29日に発表された。食品とエネルギーを除くコア指数の上昇率は前年同月比2.8%で市場予想と同水準、2023年12月の2.3%上昇からは鈍化した。前月比も0.4%上昇となり、予想と一致。週間新規失業保険申請件数も21.5万件と予想の21.0万件を上回り、労働需給の緩和を示唆する内容だった。

特にPCEについては事前の予想を上回る強い内容となれば、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げが先送りされるとの見方が強まり、ハイテクが急落する展開が警戒されていた。大きなイベントを通過し、AI関連などが買い戻された。2月29日の米国市場ではエヌビディア(NVDA)のほかアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などが上昇し、ナスダック総合指数が前日比144.184ポイント高の1万6,091.922ポイントと2021年11月最高値を2年3カ月ぶりに更新。フィラデルフィア半導体指数(SOX)も前日比2.7%の急伸で最高値を更新した。

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今日の市況概況
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3月1日(金)☆[概況/大引け] 

4万円に肉薄。半導体関連と高配当の川崎汽船、石油株と不動産株が高い

大引けの日経平均は744円高の3万9,910円、TOPIXは33ポイント高の2,709ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は805、下落銘柄数は806。出来高は17億9,096万株、売買代金は5兆1,146億円。
米国で1月の個人消費支出(PCE)物価指数が市場予想と同じで上ブレしなかったことが安心され、ナスダックとS&P500が最高値を更新した。
これを受けて、日経平均も2月27日に付けた最高値を大幅に上回り、4万円に肉薄した。取引時間中の高値は3万9,990円(824円高)。

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