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コラム2024年3月22日

【本日のマーケット】3月22日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

3月22日(金)のマーケット                                                                   

3月21日の米国株式市場は4日続伸。半導体メーカーのマイクロン・テクノロジーは3~5月期の売上高見通しがアナリスト予想を上回ったことで大幅高となった。同じ半導体関連のブロードコムはコーウェンが投資判断を引き上げた。ゴールドマン・サックスはヘッジファンドやプライベートクレジット会社と共同投資する新しいファンドのために約7億ドル(約1,100億円)を調達したことで買われた。一方、アップルはiPhoneのアプリ配信に関する権限を行使し、消費者が簡単に携帯電話を乗り換えるための技術革新を阻止した疑い(反トラスト法違反)で司法省が提訴したため売られた。経営コンサルタントのアクセンチュアは業績見通しがアナリスト予想を下回ったため下落した。NYダウは前日比269ドル(0.68%)高の39,781ドル。NASDAQ総合指数は前日比32ポイント(0.20)高の16,401。S&P500指数は前日比16ポイント(0.32%)高の5,241。

日経平均は朝方4万1000円に乗せたが、年金の資産ウエイト適正化による売りが警戒され値を消した。日銀総裁が国債買い入れ額を将来的にはもう少し減らしていきたいとの考えを示し、後場は小幅安となったが、すぐに上昇。1ドル=151円台の円安で自動車関連が買われた。C&Fロジは買収提案を受けストップ高。シャープは液晶ディスプレー事業を縮小する方向で採算改善期待。アドバンテストが売られ、インフロニアはCB発行を嫌気。

スタンダード市場では、住信SBIネットが買われ、ファンドクリエーションが大幅高。イーロジットは2月売上高で大幅続伸。第一商品は株主優待の実施を発表し上昇した。山大とSOLIZEは大幅反落。新田ゼラチンはインド子会社で排水規制に合致せず、操業を一時停止で売られた。

グロース市場では、INFORICHは豪州のモバイルバッテリーシェアリング事業者を子会社化でストップ高。ACSLは航空自衛隊に空撮用ドローン採用でストップ高。イーエムネットは生成AI活用のインハウス支援サービスで3日連続ストップ高。Kudanは信用取引規制で下落。

日足チャート上では、十字足に近い陰線。一目均衡表では三役好転となっており、上値追いを感じさせるチャート形状。週足では、大陽線を引いて先週空けた窓を埋めた。4万円台の値固めとなった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。「節分天井、彼岸底」、年度末が接近する今週のマーケットは大きく変動しました。「中央銀行ウィーク」と銘打たれ、どのような政策転換が起こっても不思議ではない週だっただけに、先週後半からは一部で警戒的な動きも見られました。

結果はご覧の通り、日銀はマイナス金利を解除し、FRBは年内3回の利下げ方針を変えず、日経平均は4万円の大台に乗せて史上最高値を更新しました。「市場に優しいFRB」が戻ってきて、NYダウ工業株も最高値に進んでいます。

実社会では物価の上昇範囲は確実に広がっています。鋼材市況は熱延鋼板の流通価格が3月比で+1.6%上昇しました。値上がりはコロナ禍で海上物流が混乱していた2022年半ば以来のことです。

石油化学製品の原料であるナフサ市況は昨年11月と比べて+17%も値上がりし、1年ぶりの高値水準に達しました。食品ではオリーブオイルがトン当たり1万ドルを超え、過去最高値圏に張りついたままです。カカオも最高値を更新しました。食品メーカーの値上げは必至の情勢です。

新年度入りを目前に、日本経済はデフレからインフレへ着実にフェーズが進んでいます。物価の上昇局面は当分の間、続くことになるでしょう。

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【前人未到の4万1,000円台 交通関連上方修正相次ぐ
日本証券新聞3月25日(月)紙面1面TOP記事掲載 

需要回復と構造改革の成果

JAL(9201・日足)

日経平均株価が前人未到の4万1,000円台に一時、到達した。バリュエーションからみてもPERは17倍台と、過熱感はさほどなく、さらなる一段高も期待できる。株高の一因がコロナ禍からの経済回復とインバウンド需要。21日には航空、バス、鉄道会社がそれぞれ上方修正と配当予想の引き上げを発表し、株価も続伸した。コロナ禍で構造改革を進めた経緯もあり、今後も、交通関係銘柄の業績は好調にいきそうだ。

JAL(9201・P)は今3月期の業績予想で、当期利益を100億円上乗せの900億円(前期比2.6倍)と上方修正。配当予想も通期で19円引き上げ70円(前期25円)の大幅増配とした。同時に中期経営計画のローリングプランも発表。2025年3月期の業績予想を売上収益1兆9,300億円(今期予想比16.7%増)、当期利益1,000億円(同11.1%増)を見込む。配当予想も通期で10円引き上げ、80円とした。

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今日の市況概況
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3月22日(金)☆[概況/大引け] 

後場は4万1,000円で上値抵抗。自動車関連や銀行が高い

大引けの日経平均は72円高の4万888円、TOPIXは17ポイント高の2,813ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,083、下落銘柄数は521。出来高は19億2,481万株、売買代金は5兆2,480億円。
エヌビディアの人工知能(AI)向けチップに使用するHBM(広帯域メモリー)を供給しているマイクロンテクノロジーの第2四半期決算と第3四半期の見通しがアナリスト予想を大幅に上回ったたため、業界環境への手応えから、東京エレクトロンが一時4万円乗せとなった。
日経平均は朝方4万1,087円(272円高)となったが、10時半以降は鈍化した。
年金による資産ウエイト適正化による売りが出てくるという見方や、四半期末の5営業日は自社株買いの自粛期間となることも警戒された。

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