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コラム2024年4月12日

【本日のマーケット】4月12日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

4月12日(金)のマーケット                                                                   

4月11日の米国株式市場でNYダウはもみ合いだったが、ナスダックは最高値を更新した。3月の卸売物価は前年同月比2.1%上昇と2月の1.6%上昇は上回ったものの、市場予想の2.2%上昇までは至らなかった。ただ、大手金融機関の決算発表を控え、NYダウはもみ合いだった。モルガン・スタンレーは、富裕層顧客によるマネーロンダリング(資金洗浄)の可能性を防ぐために講じている措置が十分か、証券取引委員会と通貨監督庁、財務省が調査していると報じられ、下落した。ナイキはBofAが投資判断を引き上げたことで買われた。NYダウは前日比2ドル(0.01%)安の38,459ドル。ナスダック上場でNYダウに採用されているアップルは「Mac」シリーズの刷新を準備していて、人工知能(AI)に焦点を当てて設計された新たな独自プロセッサーを搭載する予定と報じられ上昇した。エヌビディアやAMD、ブロードコムが買われ、ナスダックは最高値を更新した。バイオ医薬品のアルパイン・イミューン・サイエンシズは、バーテックス・ファーマシューティカルズから買収が発表され急騰した。NASDAQ総合指数は前日比271ポイント(1.68%)高の16,442。S&P500指数は前日比38ポイント(0.74%)高の5,199。

ナスダック最高値更新を受け反発したが、週末要因で伸び悩んだ。16日のIMF世界経済見通しで日本は認証不正による自動車生産停止の影響で下方修正という予想も。三井不動産が増配と自社株買いを発表し他の不動産株にも連想買い。アップルがAI関連機能強化のチップを搭載したMACへの刷新準備と報じられ、村田製作などが高い。ローツェは1対10の株式分割発表でストップ高。ファーストリテは第2四半期がアナリスト予想に届かず下落。

スタンダード市場では、伊勢化学とさくらKCSが続伸し、SKジャパンはクレーンゲーム向け景品の受注好調で前期好決算となり急騰。サイバーセキュリティ対策関連のアズジェントは3日連続ストップ高。AGSはデータセンター関連でストップ高。プライムストラテジーは減益で大幅安。

グロース市場では、G-FACTORYが株主優待制度を再開しストップ高。データセクションは先端AIデータイノベーション研究所設立をきっかけに4日連続ストップ高。ハンドメイド作品のEC運営のクリーマは前期黒字回復し今期予想でストップ高。大幅減益のシリコンスタジオは急落。

日足チャート上では、25日移動平均線近辺まで上昇を見せるも、上値は重く5日移動平均線まで押し戻される展開。4万円の大台目前で日柄調整が継続しそう。週足では、上下にヒゲを伴う実体線の短い陽線。先週の大陰線の中に位置する「はらみ足」の形状。ここで踏み止まれるか注目される。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。新年度に入って2週間が経過しましたが、株式市場は調整色を強めています。

国内機関投資家の売りが出やすい時期でもあるのか、依然として上値は圧迫されがちですが、逆に下値も堅いという状況が続いています。

今週最大のニュースは、マイクロソフトによる日本でのデータセンターの建設です。日本に同社最大の4000億円を越える資金を投じて、生成AI向けのデータセンターを建設します。

週央には日米首脳会談が開催され、岸田首相は国賓待遇で米国に招かれました。2015年の安倍政権以来のことです。

ロシア、中国に対峙する新しい冷戦時代が始まり、もはや後戻りすることは不可能です。NATOが中心となって欧州がロシアを西の端で防備し、東の端は日本と韓国、AUKUS(米英豪)が固めます。選択の余地はありません。

日本の製造業の優位性がここに至って輝きを増してきました。この調整局面でこそ、製造業・基幹産業に属する銘柄の押し目買いが有効と見えてきます。

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注目記事 Pick up
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【欧米銀、好環境でも業績明暗
日本証券新聞4月15日(月)紙面1面TOP記事掲載 

金利のある世界に突入する邦銀は… 日本総研がレポート

欧米の主要銀行の2023年決算がまとまった。政策金利の高止まりで利ざやの増加が継続していることが追い風になっている、利下げになれば減収に転じる可能性がある。10日のCPI(消費者物価指数)ショックで米国の利下げが先送りされる可能性が出る一方、ECB(欧州中央銀行)は11日の理事会で金利を据え置いたものの、6月に実施する可能性を示唆しており、今後の各国の金融政策への注目が高まっている。逆に邦銀は欧米と反対に利上げで「金利のある世界」への突入が想定され、欧米銀の前期決算は参考になる。

日本総研の谷口栄治主任研究員のまとめによると米国の大手6行中5行、欧州は大手6行が全て増収となった。リテールでは個人消費の堅調を受け、カード取扱高が増加。さらに、ウェルスマネジメント事業は個人投資家からの資金流入と株価上昇で預かり資産残高は大幅に増えている。一方、投資銀行ビジネスは先行き不透明感の増大を受けてM&Aが低調。大手行で唯一減収となった米ゴールドマン・サックスは投資銀行業務関連手数料の減収率が米銀で最も大きかった。

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今日の市況概況
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4月12日(金)☆[概況/大引け] 

反発したが伸び悩み。三井不動産の発表で不動産株が軒並み高

大引けの日経平均は80円高の3万9,523円、TOPIXは12ポイント高の2,759ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は932、下落銘柄数は664。出来高は16億3,518万株、売買代金は4兆5,786億円。
ナスダックの最高値更新を受けて日経平均は反発したが、週末の手控え要因で伸び悩んだ。
来週16日に発表されるIMF(国際通貨基金)の世界経済見通しにおいて、日本はダイハツ工業や豊田自動織機の認証不正に伴う自動車メーカーの工場停止の影響で、下方修正される可能性があることも気掛かり要因。

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