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コラム2024年4月19日

【本日のマーケット】4月19日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

4月19日(金)のマーケット                                                                   

4月18日の米国株式市場でNYダウは序盤に反発したが後半はもみ合いとなった。S&P500とナスダックも反発が続かず小幅だが5日続落。NY証券取引所では医療保険のユナイテッドヘルスとエレバンス・ヘルスが買われた。銀行のウェルズ・ファーゴも高い。一方、台湾のTSMCのADR(米国預託証券)は売られた。TSMCの1~3月期決算と4~6月期の売上高見通しはアナリスト予想を上回ったが、2024年の半導体市場(メモリーチップ除く)の伸びを約10%とし、従来見通しから下方修正したことが影響した。スマートフォンやパソコン販売がなお弱いとみていることが理由。ブルームバーグは、TSMCによる市場見通しの下方修正は、半導体メーカーの中でも、AI処理用の最先端チップを設計・製造するメーカーと消費者製品向けチップを手がけるメーカーとの間で明暗が分かれていることを浮き彫りにすると解説した。NYダウは前日比22ドル(0.06%)高の37,775ドル。ナスダックでは、エヌビディアとAMDは小幅高だったが、ラムリサーチとアプライドマテリアルズは売られた。その他、ナスダックではテスラはドイツ銀行が投資判断を「Hold」に下げたため売られた。NASDAQ総合指数は前日比81ポイント(0.52%)安の15,601。S&P500指数は前日比11ポイント(0.22%)安の5,011。

TSMCが半導体市場の見通しを下方修正し、半導体関連株が大幅安となったことに加えて、イスラエルがイランを攻撃したと伝わり、日経平均は一時1300円を超える下げ幅。核関連施設への被害は出ていないと報じられ、やや下げ幅を縮めたが、リスク回避姿勢でほぼ全面安となり、証券株も安い。いなげやは完全子会社化の株式交換比率にプレミアムが付かなかったため大幅安となった。さくらインターネットはAI用スパコンに経産省が補助金で急騰。

スタンダード市場では、いなげやの急落を受け、親会社となるユナイテッドスーパーも急落した。AGSが続落となり、オプティマスGは5日続落。コロンビア・ワークスや三和油化が安値更新となった。さくらKCSが反発し、新都HDは資源リサイクル事業の北山商事を子会社化でストップ高。

グロース市場では、靴通販の「ロコンド」運営のジェイドグループが15日続落。エコモットが反落。データセクションが反発し、LaboroAIが7日ぶりに反発。ネイルサロンのコンヴァノは3日連続ストップ高。直近新規公開で駐車場関連のハッチ・ワークは安値圏から4日続伸。

日足チャート上では、75日移動平均線を下放れて、一時は3万7000円割れまで急落。一目均衡表の雲の下限(3万6582円)が意識される。ボリンジャーバンドのマイナス3シグマ(3万6790円)にタッチしたことで自律反発も期待したいところ。週足では、上下にヒゲを伴う大陰線。今週は2455円の急落となったことで、13週移動平均線を下抜けて調整色が色濃くなった。13週移動平均線を割り込むのは昨年11月以来のこと。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。新年度相場がスタートして3週間が経過して、株式市場には次第に調整圧力が強くなってきました。

今週初め、パウエル議長は参加した討論会の席上で、物価上昇の抑制には「予想以上に時間がかかる」と述べました。物価は(FRBの見立て通りに)コントロールされているという従来の見方を修正しタカ派寄りのスタンスに変更しました。

今週は全面安となる日が続きましたが、それでも個々の銘柄の動きを見ると、輸送用機器、化学、ゴム、海運、ガラス土石を中心に、現在の売り圧力に耐えて堅牢に値を保つ銘柄も随所に見られます。

それらの銘柄は単日で見れば、全体の下げ基調に巻き込まれてツレ安を余儀なくされますが、翌日、翌々日にはすぐに切り返し、週単位、月単位ではさほどの下げにはなっておりません。そのような銘柄も数多く存在します。内需セクターに堅調さが際立っていたように思います。

新しいNISA制度の人気は続いており、個人マネーが置き場所を求めて大きく動き始めています。銀行業界への資金流入の流れは、いずれマーケット全体に広がってゆくはずです。

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注目記事 Pick up
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【地政学的リスク再び 一時3万7,000円割れ 日経平均 1,300円安 イスラエル、イランを攻撃か
日本証券新聞4月22日(月)紙面1面TOP記事掲載 

米利下げ後ずれ観測でハイテク急落

日経平均(日足)

19日の東京市場では日経平均株価が一時前日比1,346.64円安の万3万6,733.06円まで売られた。取引時間中のとしては2月9日以来の3万7,000円割れ。大引けは同1,011.35円安の3万7,068.35円だった。

米ABCニュースが「イスラエルの発射したミサイルがイランに着弾したと米政府高官が認めた」との報道を受け、午前10時過ぎから下げが加速した。この日は、半導体製造装置メーカーのASML、半導体受託製造大手のTSMC(台湾積体電路製造)など主要な半導体関連株の決算がやや物足りない内容となったこと、米国の利下げ開始時期についての見方が日を追うごとに後ずれしていることから、大幅安でスタートしていた。

詳しい状況が不明ななか、地政学的リスクの高まりからリスク・オフの動きが一気に広がった。米報道のほかにもイランのメディアが、中部のイスファハン州で爆発音があったなどと伝えた。

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今日の市況概況
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4月19日(金)☆[概況/大引け] 

イスラエルのイラン攻撃報道でほぼ全面安。ロイターは爆発音は防空システムが作動と報じたが不安心理は払拭されず

大引けの日経平均は1,011円安の3万7,068円、TOPIXは51ポイント安の2,626ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は86、下落銘柄数は1,554。出来高は21億6,875万株、売買代金は5兆4,658億円。
日経平均は一時1,346円安の3万6,733円となった。
台湾のTSMCが2024年の半導体市場の見通しを下方修正し、半導体関連株が大きく売られたことに加えて、イスラエルがイランに対してミサイル攻撃を行い、空港などの軍事施設のほか、核施設周辺で爆発があったとの現地報道もあったため、日経平均は下げ幅を拡大した。

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