ベーシック(519A)が3月25日、グロースに新規上場した。最新AIで、フロントオフィスのDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する。初値は公開価格を8%下回る800円。上場当日の記者会見で、秋山勝代表取締役=写真=が語った内容のポイントは次の通り。
AIと仕組みで問題解決
われわれが手掛けているのはワークフローの再設計と定義している。ワークフローとは情報が入力され関係者に通知され判断処理記録される一連の業務プロセス。これをAIと仕組みで再設計する。人手に頼らず仕組みとテクノロジーで問題を解決する。
累計ユーザー数は50万人超
主軸のプロダクトが2つ。1つが「Ferret One」。法人企業が新たな顧客を獲得するためのB2B領域のマーケティング活動のDXツールになる。ウェブサイトのCMS機能やマーケティングオートメーションに至るまで、通常7~10組み合わせて行わないといけないマーケティング活動を1つに集約することができる。有料顧客は500社を超えている。2つ目が「formrun」、(サイトの入力)フォームを起点とした問い合わせや申し込みの管理業務を効率化するツール。有料顧客は5,000社超、累計ユーザー数は50万人超となっている。これらのプロダクトは誰でも扱えることをコンセプトに設計している。AIが雑務のサポートをすることで、(顧客が)本来業務に集中できる環境をつくれる。
新製品は想定以上の人気
われわれがさらに成長するため、1月に新たなプロダクト「workrun」をリリースした。指示するだけで350以上の外部ツールと連携しながら、AIが自律的に業務を実行する。これまで「Ferret One」「formrun」で提供していたのがDX基盤。さらに「workrun」でつないで、一連の業務をAIで動かすAX(AIトランスフォーメーション)基盤にする。既に大手からスタートアップまで想定を上回る引き合いをいただいている。
黒字継続は十分可能
2025年12月期は営業利益2億7,000万円で黒字化を達成した。22年12月期に8億円の営業損失だったが、毎期3億円程度改善を積み重ねてきている。ストック収益を中心としたビジネスモデルで、安定した成長基盤がつくれている。われわれは「事業の成長を人の数で解決しない」との方針なので人件費を上げることなく業績を伸ばせる。変動費は調整できるので黒字継続は十分可能だ。
アンソロピックショックはむしろ追い風
成長戦略は3つ。1つ目は顧客基盤の強化によるオーガニック成長。具体的には月間500社超の新規取引が開拓できる状態を維持している。2番目がコンパウンド戦略(複数のプロダクトの相乗効果で成長する戦略)。既存顧客に「workrun」をはじめ新プロダクトをクロスセルする。3番目は、5,500社のうち1,000社超が大手で、それらを深耕するチームを立ち上げ、さらに取引の拡大を狙っている。われわれの競争優位となっている既存顧客を中心としながら、しっかり成長戦略を描いているのが特徴。アンソロピックショック(SaaSはAIで不要になるとの見方)は株価ではネガティブな影響は多少なりともあった。一方で実務という観点では恩恵を受けている。これまで時間がかかっていたプロダクト開発がかなりスピーディーに作れるようになってきた。これまでプロダクトをたくさん作っており、顧客は安心、安全、確実に業務を実行できる環境が手に入るかどうかを一番求めている。それらをAI、特にクロードコード(アンソロピックの開発したAIツール)を使いながら価値提供できるので、追い風と考えている。
2年以内に時価総額100億円目指す
(公開価格割れした)初値については、今年新規上場した企業は漏れなく同じ状態。われわれだけ特別扱いされる状況にはない。業績を積み重ねて、買ってもらえる状態を目指したい。上場で得た信用と資金を使いながら、2年以内に時価総額100億円にタッチできる算段は付けられた。オーガニックな成長と今仕込んでいる取り組みで、M&Aがあればプラスアルファとなる。今仕込んでいる取り組みは、まだ取り組んでいない領域にAI駆動開発で圧倒的なローコストプロダクトを出そうと考えている。ニトリが「お値段以上」とうたっているように、われわれもSaaSプロダクトでそういう価値のあるものを作っていきたい。例えば名刺管理やSFA(営業支援システム)などカテゴリーとして既に価値が証明されているところを考えている。(HS)
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