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インタビュー2026年9月18日

【速報版】トップインタビュー セック 代表取締役社長 櫻井伸太郎氏 「リアルタイム技術」で「宇宙」を支える

「主体的ビジネス」注力・高付加価値化へ

セック(3741・P)は1970年創業の「リアルタイム技術」専門のソフトウェア会社。「社会基盤システム」「宇宙先端システム」「モバイルネットワーク」「インターネット」の4つのビジネスフィールド(BF)で、交通、防衛、医療、官公庁、宇宙・天文、ロボット、AI、IoTなど、高い信頼性や即時性が求められるシステムを開発している。2026年3月期は売上高112.2億円、営業利益18.8億円で、いずれも過去最高を更新した。同社の強みと今後の戦略について、櫻井伸太郎代表取締役社長(写真)に話を聞いた。

――セックの強み「リアルタイム技術」とは何か。

投資家の皆さんには「人が介在しなくても24時間365日動き続けるシステム」と説明している。自動運転、ロボット、人工衛星などが分かりやすい例だ。私自身、ダム周辺の雨量データを取り込み、ダムや河口堰(ぜき)のゲートを連動して制御するシステムなどを手掛けた。状況を捉え、判断し、動かす一連の処理を、人の操作を待たずに続けなければならない。

当社のコアは、この技術を使って社会インフラや宇宙など、高い信頼性が求められる領域で継続的に高い付加価値を生み出せること。高い参入障壁を生む競争優位の源泉であり、無形の知的財産だと位置づけている。

――4つのBFを、成長戦略の中でどのように位置づけている?

社会基盤システムBFは「成長の土台」。官公庁、医療、環境、防衛など、社会公共性の高いシステムで安定収益を生み出すと同時に、高信頼技術とエンジニアを鍛える場でもある。

宇宙先端システムBFは「成長の牽引役」だ。宇宙、ロボット、エッジAI、量子コンピュータなどの先端領域で、未来の成長を支えるコアコンピタンスを強化している。

モバイルネットワークBFとインターネットBFも、長年培った顧客基盤を生かしながら、新しい技術テーマへ展開する役割を担っている。

――宇宙・天文分野における競争優位性とは。

リアルタイム技術を軸にした技術力と、高い信頼性が求められる領域での実績で差別化している。当社は宇宙機そのものを製造する専業メーカーではなく、搭載システムや宇宙機の運用に関わるソフトウェアの開発を担っている。創業以来JAXA(宇宙航空研究開発機構)とその前身組織と仕事を続け、実績と信頼関係を積み重ねてきた。衛星や探査機を開発・製造する宇宙専業のメーカーやスタートアップとは事業モデルや担う領域が異なるため、当社と同じ土俵で直接競合する会社は多くないとみている。

――今後の成長を判断するうえで、投資家はどこに注目すればよいか。

投資家の皆さんには、「主体的なビジネスの創出」「AI駆動型開発の推進」「高度人材の強化」の3点を見ていただきたい。主体的なビジネスが売り上げや継続収益につながっているか、AIの活用によって一人当たり付加価値や利益率、外注比率がどう変わるか、顧客の業務領域まで理解できる高度人材の充実を図れるかという点だ。今後の開示でも示していきたい。

――主体的なビジネス、具体的に。

現在は売上高の約98%を受託開発が占める。業績が好調な今こそ、自分たちが主導する「主体的なビジネス」を増やしたい。例えば現在開発中の「PORTRS」は、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟での利用を想定したロボットシステムだ。地上からの遠隔操作で実験サンプルの運搬・操作や船内の確認・監視を行うことで、宇宙飛行士が人にしかできない仕事へ時間を振り向けられるようにする。試験結果を積み重ね、その先で継続的にロボットを提供し、販売やリースなどのストック型ビジネスにつなげたい。研究開発を一度きりの案件で終わらせず、継続収益を生む事業へ育てることが重要だ。

――10年先はどのような会社になっている?

ソフトウェア業界の変化はただでさえ速く先が見通せない。方向性を言えば、10年後も社会に不可欠な高信頼システムを支える一方、最先端技術を事業へ結びつける知識集約型企業でありたい。

社内には「10年後には月に移り住む」と言いながら研究している社員もいる。将来的には、月や火星で動くロボットを提供し、量子コンピュータによって今までできなかったことを実現したいと考えている。現実の高信頼システムを着実に支えながら、そういう夢を本気で研究できる会社でありたい。

※速報版は最終的な校了前の紙面記事です。今後、修正等が入る場合があります。

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