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IPO2026年9月28日

IPO社長会見 テクノクラフト ゴルフ場・医療のDX支援で第2の成長フェーズへ

テクノクラフト(622A)が9月18日、東証スタンダードに新規上場した。初値は公開価格を4.6%下回る620円。同社は1995年の創業以来、ゴルフカートナビを起点に成長。位置情報・通信・デバイスの技術を基盤にゴルフ場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援している。上場当日の記者会見で栂坂昌業代表取締役=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

強み

現在はゴルフ関連事業(売り上げ構成87%)、コミュナビ事業(12%)、健康見守り事業(1%)の3事業を展開。ハードウエアとソフトウエアを一体で提供するHESaaS型事業モデルを確立している。強みは、高いシェア、高いリカーリング、低い解約率の3点。ゴルフカートナビの国内シェア63%、全社のリカーリング比率59.5%、カートナビの年間チャーンレート(解約率)は0.63%。これにより安定した事業基盤を形成している。

ゴルフ関連事業

当社のゴルフカートナビは主要大手ゴルフ場運営会社に多く採用され、1,353コース以上、計8万台以上が設置されている。混雑状況などをリアルタイムに可視化し、マスター室の業務効率化とスムーズなプレーを支援。ゴルフ場の運営管理を支える重要なシステムとなっている。差別化機能の1つがダブルドラレコ。前方状況とカート内映像を同時に記録し、事故やトラブル発生時の原因分析・事実関係整理に寄与。マナーや運営品質の向上にもつながり、当社ナビを導入する大きな理由の一つに挙がっている。特許取得済みで、海外の特許出願も準備中。ほか、カート後部座席でのデジタルサイネージ広告、日本ゴルフ協会の公式ワールドハンディキャップ申請システム、「楽天GORA」と連携したオンラインコンペ、個人向けゴルフナビアプリも展開している。

同事業の成長戦略

①リカーリング収益拡大②カートナビを起点としたゴルフ場システムのプラットフォーム構築によるシェア・収益拡大③海外展開――で成長を目指す。売り切り型の無線型ナビに加え、2016年からリカーリング型のタブレット型ナビがスタート。タブレット型ナビはここ数年で急増している。プラットフォームは、年4,000万人のプレイヤーとの接点や月間100万人超のスコア登録データなどを活用し、ゴルフ場にも、プレーする人にも役立つものを現在構築中。 海外は最近はASEAN(東南アジア諸国連合)もわれわれが日本でシステムを作ったころの状況と似てきている。ASEANにもナビ付きコースはあるが、あと何ヤードあるかを伝える単純なもの。日本と同じようにきちっとしたプレー時間でやっていく時代がやってきたため、9月からタイでモデルコースを作り、販売を拡大していく。

コミュナビ事業は吹雪の中で幼稚園バスを待つ親子がきっかけ

約20年前、吹雪の中で幼稚園バスを待つ親子を見たことをきっかけに、バスの位置・運行情報を確認できるサービスを開発し、これを機にコミュナビ事業を始めた。コミュニケーションナビを由来とする幼稚園・保育園・子ども園向けのICTシステム。保護者へ利便性・安心安全を提供し、施設運営のDXを進めている。 導入実績は年々増加し、25年9月末時点で1,050施設以上。リカーリング比率97.5%で継続性が高く安定した収益。今後は教育機関、習いごと、高齢者施設の見守り等の周辺領域に進めていく。

健康見守り事業はゴルフ場スタッフの事故がきっかけ

健康見守り事業は23年にゴルフ場スタッフの死亡事故を受け、キャディやスタッフ向けに始めた。バイタルナビや医療機器認定を得たウエアラブル端末から、血圧、脈拍、血中酸素濃度などのデータを取得してクラウド上で一元管理するサービス。建設・運輸など作業現場の熱中症対策を支援するウエアラブルデバイス「テクノバンド」サービスも行っている。当社のバイタルナビは本人はもとより家族も医師とデータ共有でき、介護での利用も進んでいる。26年4月のオンライン診療法制化や、患者の状態を継続的に把握する重要性の高まりなど医療に変化が生じる中、看護師などの業務負担軽減と医療現場の効率化に貢献。現在、複数の大手医療機器メーカーさまや医療専門商社と連携し、複数の国立大学病院などでPoC(概念実証)を実施中。

「新」により「真」を磨く

今後はゴルフ場システムのプラットフォームへの進化に加え、健康見守り事業の本格的な成長を図り、全事業に上場獲得資金を活用してAI基盤を強化。第2の成長フェーズへの移行を目指す。社是は「『新』により『真』を磨く」。常に新しさを取り入れることにより真を磨き上げ、優しい技術で、人と人がつながる絆を紡ぎ、真を極めてきた。人と人が繋がる優しいテクノロジーを使命としてゴルフを支援。ゴルフで培った技術と経験を子どもの安全、高齢者や働く人々の健康見守りへと広げ、社会に必要とされる安心・安全・健康・楽しさを優しく支えてまいります。

社長交代のタイミング

48歳で起業し、現在80歳。70歳の時、これからのことを考え、ガバナンスの効いた状態で株主にきちっと応えられる方が選抜され、末永くステークホルダーにも迷惑をかけることなくやっていくには上場が一番と判断した。社長交代のタイミングは漠然と言うと、アイデアが尽きるまで。現在も毎年数件の特許を申請しており、ようやくそれが来期に始まる。そういうことを果たし、後継者については指名報酬委員会を作ったので公平に広く募りたいし、内部で現れれば一番良い。本日の株価はかなり渋く、「これからだ」や「なにくそ」という精神。

上場後のイメージ

無線型からタブレット型へ収益型が大きく変わってきており、この4、5年が谷のようだった。9月末が決算期末のため、いろいろな計画について今はあまり発表できない。11月に決算発表、12月には株主総会を控えているため、それまでには今後の具体的な新製品や技術革新、方向性などについて発表できるのではと楽しみにしている。

配当の考え方

現在は投資フェーズ。AI基盤構築、新製品開発に充てる。早めに安定した利益基盤を構築し、還元は一番大事なことのため早めにやっていきたい。KPIははっきりしており、タブレット型は5年でリプレイスされ、年間1コース100万円前後。これを5年遡れば入れ替え数が見える。先が見えているのにここで言い切れないのは申し訳ないが、KPIは想像できるだろう。(Q)

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