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IPO2023年12月19日

IPO社長会見 魁力屋 京都ラーメンで世界を目指す

魁力屋(5891)が12月15日、東証スタンダードに新規上場した。京都背脂醤油ラーメンを主力商品とする「京都北白川ラーメン魁力屋」を運営。初値は公開価格を30.1%上回る1,822円だった。上場当日の記者会見で藤田宗代表取締役社長=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

豊富なメニュー構成……平日は会社員など働いている人、土日はファミリーが中心ということで、メニューはバリエーション多くやっている。ラーメンはメインの特製醤油をはじめとする5種類。さらに1.5カ月のサイクルで期間限定ラーメンも出すことで、魁力屋に来店したことのないお客さまに興味を持っていただいたり、日頃来店していただいているお客様のリピートの動機にもなっている。また、豊富でボリュームのある定食ラインアップも人気で、ラーメンを注文する方の5割が定食も注文する。

多様な店舗タイプ……1つは郊外ロードサイド。建物が30坪、席数43席というパッケージが出来上がっているので、これを各地に出していく。コンビニエンスストアが退店した後の居抜き店舗にも出店できるという点も特徴であり強みとなっている。2つ目は商業施設内(フードコート)。商業施設に来るお客さまの層と当社のお客さまの層が非常にマッチングしている。また、当社はゆで時間の早い中細ストレート麺を使っているため、混雑する土日も提供時間を短く回転数を上げられる。各施設内においても売り上げ上位にランクインしている。ビルイン店舗はまだ店舗数が少ないが、都内(東京・五反田)に出店している店舗は大変盛況で、当社の売り上げの中でも上位に入っている。今後、首都圏の駅近にも出店を進めていきたい。

出店戦略……現在は主に関西(35店舗)、東海(28店舗)、関東(63店舗)の3大都市圏を中心に、東北(3店舗)、中国(1店舗)、九州・沖縄(4店舗)にも出店している。未出店エリアがあり、まだまだ店舗数も少ないので出店余地は豊富。今後の戦略としては、「直営店の拡大」と「FC(フランチャイズ)加盟店の拡大」の両輪で進めたい。国内出店可能店舗数は740店舗とみており、できる限り早い段階で達成したい。タイプ別ではロードサイド300店舗、商業施設200店舗、ビルイン他100店舗で約600店舗の出店余地がある。関西、東海、関東の三大都市圏は直営店での出店、それ以外のエリアはFC加盟店での出店を考えている。

外注で店舗の作業効率を改善……本来、飲食店はメニューが少ないほどオペレーションがしやすく、食材のロスも少ないなど都合がいいが、当社では常時60ぐらいのメニューを展開している。家族3世代で来て、それぞれが好きなものを注文できるという客層の幅広さが強みだ。今後は出店拡大に伴い、クオリティを保ちながら店舗オペレーションを軽くしていく必要がある。既に仕込み作業の一部外注化を行っている。多くのラーメン店がスープに力を入れているが、当社の味の決め手は「かえし」と豚の背脂。スープは店舗で簡単にできるようにしているため、他社のように自前で工場を持つ必要はない。外注に出すと原価は少し上がるが、その分人件費は下がる。

BtoBや海外展開も……商品の卸事業も今後やっていきたい。すでにスーパーマーケットの冷蔵・冷凍ラーメンや、コンビニエンスストアのカップラーメンも定期的に手掛けている。まだ着手していないが、業者への卸・物販などもできるのではないかと思っている。また、当社ビジョンに掲げる「日本の食文化と『おもてなしの心』で世界中を笑顔に!」は、海外に展開していく決意の表れでもある。まずはアジアで調査を進め、将来的には米国や欧州への進出も視野に入れている。私の知っている限り「京都ラーメン」はまだ世界に進出しておらず、可能性がある。(SS)

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