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コラム2020年12月26日

【本日のマーケット】12月25日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

12月25日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場でクリスマス前日の短縮取引で、薄商いの中主要3指数は上昇。NYダウは続伸。英国とEUが新たな自由貿易協定(FTA)の交渉で合意したことが好感された。NYダウは前日比70ドル高(0.23%高)の3万199ドル。ナスダックは反発。電気自動車メーカーのテスラが買われ、電気自動車用急速充電スタンドのブリンク・チャージングが大幅高。ナスダック総合指数は前日比33ポイント高(0.26%高)の1万2,804ポイント。

本日の東京市場で日経平均は、前日終値を挟みもみあいでのスタート。海外投資家のクリスマス休暇入りで膠着状態が継続しており、一日の上下幅は78円と極端に狭いレンジでの推移。値上がり銘柄数が1312銘柄に対して、値下がりは764銘柄と値上がり銘柄数が多い状況も、指数は小幅安。大引けの日経平均は11円安の2万6,656円。売買代金は1兆2,547億円と今年最低となる薄商い。TOPIXは4ポイント高の1,778ポイント。

新興市場も小動き。JASDAQ指数は3日続伸。ウィルソンラーニングが2日連続のストップ高。ジャパンシステムはTOBが発表され急騰。対して、出前館は積極投資で赤字となり大幅安。マザーズ指数は小幅に下落。トランスジェニックが2日連続のストップ高となり、NexToneは来年1月末に1対3の株式分割を好感して上昇。一方、直近IPO銘柄の交換できるくん、かっこ、ヤプリは下落。

本日は3銘柄がIPO。東証2部に上場のSANEI(6230)は公開価格を約60%上回る3,525円で初値形成。給水栓や給排水器具の製造・販売を行っている。ジャスダックに上場の東和ハイシステム(4172)は公開価格の2.3倍の5,300円で初値を付けた。電子カルテ統合システムで歯科医院を支援している。マザーズ上場の大阪大学初の創薬ベンチャーのファンペップ(4881)は公開価格を10%上回る715円で初値を付けた。

チャート上では、狭いレンジでの推移。5日移動平均線(2万6600円)上に位置。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。株式市場は先進国が財政・金融政策を総動員したおかげもあって、安定した年末を迎えています。先高期待も徐々に膨らんでいます。

しかしここで気を緩めるわけにはいきません。年末年始は意外なことが起こりやすいものです。リスク要因が高まっています。

ひとつは地政学的リスクです。イラクのバグダッドで米国大使館の至近エリアがロケット弾で攻撃されました。大使館は装備していた迎撃ミサイルで撃ち落としましたが、突如として中東に緊張がもたらされました。

犯行声明はありませんが、米国側はイランの関与を疑っておらず報復攻撃の可能性も残っています。真犯人はわからないまま、任期間際のトランプ大統領が武力行使に出る可能性が不安感を煽っています。

中国政府がアリババに対して独禁法違反の疑いで調査を開始したことも先行きの不透明要素につながります。米国ではグーグルが反トラスト法違反でやり玉にあがっています。

いつもの年末と同様に、何が起こるかわからない年越しに際しては、少しだけ慎重に。ポジションを落とし気味にして、余裕を持って実り多き新年を迎えたいものです。

何事もなく年を越せれば、そこであらためてポジションを組み直す、というのが最も安全策です。2021年は内需系の銘柄にも意外な活躍余地があると私は考えております。

今年1年ありがとうございました。新年もよろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください。

※【動画】NSJヘッドラインに特別ゲスト出演。2021年の展望を伺いました。是非ご覧ください!

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【相場を斬る(69) 2021年相場展望
日本証券新聞12月28日(月)紙面1面記事掲載 

トレンドの2面性が継続 「動く時」「動かない時」の差が顕著に

「ジキル&ハイド」――二重人格者を例える際によく使われるが、2020年相場は、相場トレンドと株価変動スピードにおいて、極端な二面性を持つ相場であった。

年間高低差1万265円に及ぶジェットコースター相場は、難易度が高かったと言われている。しかし、相場転換局面においては、移動平均線(以下MA)をはじめとしたシンプルなテクニカル指標が有効に機能した相場でもあった。

2021年もAIに管理下された相場において、トレンドとスピードの二面性は、さらに先鋭化することになろう。2020年同様に発射台が高いスタートになることも併せて、「勝って兜の緒を締めよ」の気概で、転換点においては機敏な売買を心掛けたい。

移動平均線で強弱を判断

年末も押し迫り、巷では、日経平均の年末が2万7,000円、来年は3万円などと、株価指数の水準ばかりに着目した話題が大勢を占めがちだ。小生も来年は3万円到達を想定しているが、重要なのは点である目標株価ではなく、線でとらえた株価トレンドの方向と強弱である。

MAで株価分析を行う時、MAの傾きの方向で上昇・下降・横ばいトレンドを、傾きの強さでトレンドの強弱を判断することは以前お話しした通りであるが、今年の相場をトレンドの強弱で分解してみよう。

トレンドが強く発生した期間は①2月20日から3月19日までの下落局面、②3月19日から6月8日までの上昇局面、③10月30日から12月1日までの上昇局面の3回で、残りの期間は、弱いトレンドまたは横ばいでの狭いレンジでの動きであり、動くときと動かない時の差が顕著であった。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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12月25日(金)☆[概況/大引け] 

クリスマス休暇で閑散小動き。キーエンスとデンソーは買われ、レノバは3日続伸。海運株は日本郵船効果。一方、ソフトバンクGとブイキューブは安い

大引けの日経平均は26,656.61円の11.74円安、TOPIXは1,778.41ポイントの4.14ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,312、値下がり銘柄数は764。出来高は6億9,480万株、売買代金は1兆2,547億円。
クリスマスで多くの海外市場が休場のため、東証は閑散取引となり指数は小動きだった。

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