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コラム2021年5月7日

【本日のマーケット】5月7日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

5月7日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で主要3指数は揃って上昇。週間の新規失業保険申請件数は49万8千件と前週の59万件から改善。市場予想の52万7千件も下回り、2020年3月中旬以来の50万件以下となった。景気回復期待から金融株が買われ、消費関連のホームデポも高い。債券市場では雇用統計の発表を控え、長期金利が1.57%と前日比横ばいとなったことで、セールスフォースなどのハイテク株にも買いが入った。NYダウは前日比318ドル(0.93%)高の34,548ドルと4日続伸。ナスダックは5日ぶりに反発。アマゾンやアップル、マイクロソフト、フェイスブックが上昇。ナスダック総合指数は前日比50ポイント(0.37%高)の13,632ポイント。S&P500指数は前日比34ポイント高(0.82%高)の4,201。

本日の東京市場は、昨日の大幅高を受けて小幅反落でのスタート。寄り後に94円安の2万9,237円を安値に切り返し、プラス圏での推移。一時は上げ幅を118円まで拡げ、25日移動平均線や一目均衡表の雲抜けとなる場面も見られた。その後は、週明けからラッシュを迎える企業決算や、今夜の米雇用統計を控え様子見姿勢が強まり上値は抑えられた。大引けの日経平均は26円高の2万9,357円。売買代金は2兆5,446億円。TOPIXは5ポイント高の1,933ポイント。

新興市場では、JASDAQは続伸。ワークマンは月次売上高が好調で買われ、nmsが続伸。シンクレイヤは業績上方修正が注目され2日連続のストップ高。対して、出前館は5日続落となり、不二硝子は3日続落。マザーズ指数は4日続落。AIinsideは大口販売先の不更新をきっかけに3日連続の大幅安。メルカリやJIG-SAWが下落。一方で、ブロードマインドとPアンチエイジは上昇。GMOメディアは第1四半期が営業黒字転換となりストップ高。

日足チャート上では、25日移動平均線(2万9,410円)や一目均衡表の雲の上限(2万9,414円)上に浮上する場面も見られた。週足では4週連続の下落から切り返しの動き。来週13週移動平均線を上抜いてくるか注目される。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。GWの5連休が終了し、さっそくG7外相会合が対面方式で開催されました。オンラインではない分、ひざ詰めでより踏み込んだ議論が交わされたことでしょう。

ここでも中国への対応策が前面に打ち出されており、日米首脳会談に続いて共同声明の中に「台湾海峡の平和と安定」の文字が明記されました。6月に開催が予定されているG7首脳会談においても引き続き人権問題、東シナ海、南シナ海の問題が議論される予定のようです。

株価の下値は米中同時の景気回復とそれによって刺激される企業業績が支え、逆に上値は米中対立という政治問題が重石となる展開がまだしばらくは続くものと考えられます。需給関係の混乱はしばらくは解消するメドがたたず、国際商品市況の上昇は当分の間は続くものと見られます。

マーケットを取り巻く外部環境は不安ばかりとなりつつありますが、企業業績さえしっかりしていれば株価のバリューには問題はありません。5月相場では次第に霧も晴れてくるものと期待したいものです。

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“株主提案の季節” ガバナンスに関心
日本証券新聞5月10日(月)紙面1面TOP記事掲載 

ワキタ、ユニデン、浅沼組、フェイス、そして天馬…

5月の声を聞くと関心を集めるのが「株主総会」だ。東証によると、3月期決算企業の今年の総会集中日は6月29日で、集中率26.9%は1983年集計開始以来の最低(4年ぶり更新)となる。もっとも、22~29日では計89.8%。一時期に集中することに変わりはない。なお、米国ではかねて「セル・イン・メイ(5月に売れ)」が叫ばれ、翌6月は“軟調月”とされるのに対し、日本では高勝率月に数えられている。「下旬の総会を前に企業サイドの上げ賛成ムードが高まる」といった解説も聞かれるところだ(実際には、前半の配当支払い効果なども背景とされるが…)。

まだ先の話と思われがちながら、株主提案議案の提出は「総会開催日の8週前」とされているため、逆算すれば5月連休前が実質的な提出期限となる。5連休を明けた今の時期に顕在化しやすく、7日付日本経済新聞で、「天馬(7958)に創業家一族が株主提案」と報じられたのもそのためだ。連休前の4月23~30日には、表の7社が株主提案に関する適時開示を行っている。このうち、フェイス(4295)は開示直後の6、7日で一時6.2%高となり、連日で高値更新した。

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今日の市況概況
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5月7日(金)☆[概況/大引け] 

伸び悩み。鉄鋼と海運は好調継続。任天堂は今期減益予想で売られ、三菱商事はアナリスト予想に届かず下落

大引けの日経平均は26円高の2万9,357円、TOPIXは5ポイント高の1,933ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,611、値下がり銘柄数は505。出来高は11億7,404万株、売買代金は2兆5,446億円。
日経平均は一時118円高の2万9,449円となったが、週末で米国雇用統計の発表も控えているため、買いが続かず伸び悩んだ。

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