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コラム2021年6月25日

【本日のマーケット】6月25日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

6月25日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で主要3指数は大幅上昇。NYダウは反発し、S&P500とナスダックは最高値を更新。バイデン大統領が超党派の上院議員らと会合を開き、8年間で1兆2千億ドル規模のインフラ投資計画で合意したと発表したことが好感された。NYダウは前日比322ドル(0.95%)高の34,196ドル。ナスダックは4日続伸。テスラやAMDが買われ、広告データ企業のトレード・デスクが高い。ナスダック総合指数は前日比97ポイント(0.69%)高の14,369ポイント。S&P500指数は前日比24ポイント(0.58%)高の4,266。

本日の東京市場は、米市場での株高を受けてギャップアップでのスタート。寄付きから2万9,000円を超えての推移となり、寄付き直後には298円高の2万9,174円まで上昇。その後、2万9,000円を割り込む場面もあったが、堅調推移。バイデン大統領が超党派議員グループと8年間で1.2兆ドル(約130億円)のインフラ投資計画で合意したことが材料視された。また、ワクチン接種の加速に伴い集団免疫の獲得時期も早まるとの期待感も聞かれた。大引けの日経平均は190円高の2万9,066円。売買代金は2兆1,422億円。TOPIXは15ポイント高の1,962ポイント。

新興市場も上昇。JASDAQ平均は反発。オプトエレクは業績上方修正で急騰。食品販促シールの平賀が大幅高。対して、シキノハイテックは続落。マザーズは4日続伸。上場来初の黒字となるメルカリが前日に続き人気を集めた。フルッタフルッタはアサイーボウルのデリバリーエリアの拡大で急騰。メディアシークは持分法適用関連会社のデリバリーコンサルティングのマザーズ上場が承認され買われた。一方で、直近IPO銘柄のアイ・パートナーズは大幅安。

本日IPOとなった電解銅箔メーカーの日本電解(5759・東マ)は公開価格(1,900円)と同値での初値形成。同社はファンドの出口案件。また、民間臍帯血バンク最大手のステムセル研究所(7096・東マ)は好発進。公開価格を72%上回る4,830円で初値を付けた。

日足チャート上では週初の急落で下抜けも警戒されたが、翌日以降は急反発を見せ、終わって見れば今週は前週末比でプラス。本日の上昇で一目均衡表の雲抜けを達成。75日移動平均線(2万9,072円)も目前の株価位置。週足では長い下ヒゲを伴う大陽線。わずかに13週移動平均線に届かず。下値の堅さも確認され、チャート形状もだいぶ煮詰まって来た。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週も波乱の動きが見られましたが、今後の株式市場にとって重要なニュースがいくつも出始めています。

そのうちのひとつが、マンション市況です。5月の中古マンション価格は首都圏で過去最高を更新しました。平均価格は4044万円となり、前月比で+25万円、上昇率で+0.6%を記録しました。不動産調査の東京カンテイの調査で、2002年の統計開始以来の最高値となっています。

コロナ危機で企業はリモートワークを進めており、子育て中の若い世帯が中心となって郊外に戸建て住宅を取得する動きが広がっています。その動きが一過性のものなのか、定着するのかまだ明確にはなっていませんが、少なくともマンション需要は旺盛のようです。

歴史的な低金利の広がりに加えて、株式をはじめとする資産価格の上昇がマンション取得に拍車をかけている模様です。本格的な景気の後退、株価の調整は不動産とマンション価格の調整とともに起こることが多く、この点で不動産市況がが堅調であれば株価、景気も当面は堅調が続くと見ることができるでしょう。先週と今週、動揺が見られた株式市場も次第に落ち着いてゆくことでしょう。

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注目記事 Pick up
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【東証市場再編時代の生き残り策 名・札・福 3証取責任者に聞く】
日本証券新聞6月28日(月)紙面1面TOP記事掲載 

個人最重視、コンセプト明確化、上場企業の“登竜門”

来春の東証市場再編に向けて市場の関心は高まるばかり。来月9日には上場企業への新市場区分の一次判定結果通知も控え、23日付本紙では緊急アンケート結果を報じている。中長期的な企業価値向上を支える魅力的な市場の提供を目的とした今回の市場再編は、他市場にとっても無縁のものではないはず。戦後長らく続いた全国8証取体制も今や4市場(いずれも新興市場を運営する)。東証以外の名古屋、札幌、福岡各証券取引所責任者に今後の方向性などを聞いた。

まず、最初に動いたのが名証。5月26日に「当取引所の特性を踏まえた上場制度の整備について」を発表している。現在の1部・2部・セントレックスを「プレミア」「メイン」「ネクスト」に再編するものだ。やはり東証を意識した対応か。そして、プライムとプレミア、微妙に違うネーミングセンスは…。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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6月25日(金)☆[概況/大引け] 

米インフラ投資計画合意で鉄鋼上昇。日立は鉄道事業に注目したBofA証券が目標株価を引き上げ人気。マツダはUBSの2段階格上げで急騰

大引けの日経平均は190円高の2万9,066円、TOPIXは15ポイント高の1,962ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,595、値下がり銘柄数は504。出来高は9億426万株、売買代金は2兆1,422億円。
バイデン大統領が超党派議員グループとインフラ投資計画で合意したことが好感され、東証では鉄鋼や非鉄や化学といった素材産業がインフラ投資関連として上昇した。

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