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コラム2021年11月5日

【本日のマーケット】11月5日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

11月5日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で NYダウは6日ぶりに反落。3日にパウエルFRB議長が早期の利上げ観測を牽制し、4日はイングランド銀行が市場の一部の利上げ予想に反して政策金利の据え置きを決めたため、欧米の国債利回りが低下。金利低下を受けて、NY証券取引所ではバンク・オブ・アメリカやシティグループなど金融株が売られた。 NYダウは前日比33ドル(0.09%)安の36,124ドル。一方、ナスダックは9日続伸。半導体のエヌビディアはウェルズファーゴによる目標株価引き上げが好感され、クアルコムは10~12月期の見通しがアナリスト予想を上回ったことで大幅高。NASDAQ総合指数は前日比128ポイント(0.81%)高の15,940ポイント。S&P500指数は前日比19ポイント(0.42%)高の4,680で6日続伸。

本日の東京市場は、小幅高で寄り付いたものの直ぐに反落。週末要因と米国の10月雇用統計の発表を控え、軟調展開。後場寄り後には290円安の2万9,504円まで下げ幅を広げる時間帯もあった。徐々に下げ幅を縮め2万9,600円台での推移となった。大引けの日経平均は182円安の2万9,611円。売買代金は2兆9,916億円。TOPIXは14ポイント安の2,041ポイント。

新興市場はまちまちの展開。JASDAQ平均は4日ぶりに反落。ザインやオールアバウトが下落。SEMITECは大幅反落。一方で、メタバースファッションのシーズメンは大幅続伸。NKKスイッチズは配当予想を大幅に増額したことが好感されストップ高。マザーズは4日続伸。ロケット関連のINCが反落。FRONTEOは反発し、アイドマは大幅続伸。対して、グローバルウェイは反落し、シャノンは続落。デコルテが売られた。

日足チャート上では、週初は大きくギャップアップで、大引け坊主の陽線。各移動平均線を上抜き、一目均衡表の雲抜けも達成。強い基調を伺わせるチャート形状。祝日を挟んで昨日は、大きくギャップアップして3万円の大台に迫る勢い。ボリンジャーバンドの+2σ(2万9,933円)で頭を抑えられた。一目均衡表の雲の上限で踏み止まり週末を迎えた。週足では、窓を空けての陽線。上値を抑えていた13週・26週の各移動平均線を上放れ。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週は何といっても米国の金融政策です。11月3日にFRBは公開市場委員会(FOMC)を開き、大方の予想通りにテーパリング(量的緩和の縮小)を開始すると決定しました。

国債の買い入れ額を毎月150億ドルずつ減じてゆくとの内容で、来年6月には量的緩和策は終了することとなります。それまでに金利水準を変更する余地が生じているかどうかが問われますが、しかし日本経済の状況を見ても、経済の現状はコロナ危機とても利上げをできるような場合ではありません。

そしてトヨタ自動車の決算です。円安の効果も加わりますが、半導体不足に苦しみながら収益をしっかりと確保しており、通期の業績見通しも安定しています。営業利益で2.8兆円(+27%)をキープし、11月からはフル生産に戻し、年間の生産計画は当初見通しを死守する構えです。

不透明な要素はまだ山ほど残されていますが、トヨタに限らず製造業を中心に好調な決算内容を明らかにする企業が相次いでいます。業績のよい銘柄を丹念に探して、下値買いを徹底してまいりましょう。

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注目記事 Pick up
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【再度注目「親子上場解消」
日本証券新聞11月8日(月)紙面1面TOP記事掲載 

決算発表ラッシュ(8~12日/1669銘柄)で飛び出すか?!

全般軟調地合い下でも、決算発表を受けた局地戦の動きは引き続き活発。主要企業の発表はかなり進んできたとはいえ、週明け8日からの週は社数ベースで1,669社を数え、今後も悲喜こもごもの展開が続きそうだ。ここでは決算発表の「もう一つの注目点」として完全子会社化候補にも注目を寄せてみたい。

セコム上信越と神鋼環境ソリューションが10月28日付で上場廃止された。ともに親会社による完全子会社化に伴うものだ。今回の決算発表シーズンでの完全子会社化発表はまだ1件(小林洋行↓フジトミ証券)だけ。8月30日のダイヤモンドオンラインで「三菱重工が完全子会社化を検討」と報じられ、その後に大幅高を演じた三菱ロジスネクスト(7105)も、10月29日の親子同日決算発表時に発表がなく、足元では上昇分の6割を帳消しにしている。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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11月5日(金)☆[概況/大引け] 

米雇用統計発表を控え反落。海運と鉄鋼が売られ、グローブライドは上方修正が小幅でストップ安。SUMCOとIIJは好決算で買われた

大引けの日経平均は182円安の2万9,611円、TOPIXは14ポイント安の2,041ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は540、値下がり銘柄数は1,591。出来高は12億6,664万株、売買代金は2兆9,916億円。
今晩の発表される米国雇用統計が強すぎる結果となった場合、利上げ懸念が再燃するという警戒感から日経平均は反落した。

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