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コラム2022年8月12日

【本日のマーケット】8月12日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

月12日(金)のマーケット                                                                   

8月11日の米国株式市場は高安まちまち。7月の卸売物価指数が前月比0.5%低下した。市場予想は0.2%上昇。前年同月比9.8%上昇(6月は同11.3%、市場予想は10.4%上昇)。卸売物価の前月比低下が好感され、朝方は続伸して始まったが、買い一巡後は伸び悩み、NYダウは小幅高。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「インフレ率が目標を大幅に上回っている可能性が非常に高い来年初めに利下げを始めるという考えは非現実的だと思う」と述べ、シカゴ連銀のエバンス総裁は「 インフレ率を目標の2%に確実に戻すため、今年いっぱい、そして来年に入ってからも利上げは続くと見込んでいる」と発言した。NY証券取引所ではディズニーが続伸となり、AMCエンターテインメントが買われたが、ファイザーとジョンソン&ジョンソンは下落。NYダウは前日比27ドル(0.08%)高の33,336ドル。ナスダックは後半から下落に転じた。テスラが反落したが、リビアン・オートモーティブは買われた。コインベースが下落。NASDAQ総合指数は前日比74ポイント(0.58%)安の12,779ポイント。S&P500指数は前日比2ポイント(0.07%)安の4,207。

米国のインフレ率鈍化とアリババ株評価益計上によるソフトバンクGの上昇が好感され、日経平均は急反発。プライム市場では、キーエンスやファナックなど値がさハイテク株が上昇。楽天はモバイル事業の赤字縮小で高い。エンジャパンは自社株買いの発表でストップ高。オイシックス・ラ・大地は第1四半期大幅減益だが悪材料出尽くし期待でストップ高。一方、資生堂は通期コア営業利益予想を減益に下方修正したことで下落し、川崎重工は減益決算で売られた。

スタンダード市場は小反発。ネットマーケティングはTOBが発表され、シノケンはMBO(経営陣による買収)が発表されストップ高。テクノマセマティカルは林野庁の新技術推進対策事業に採用され急騰。一方、玉井商船とSKエレクは反落した。

グロース市場も反発。アライドアーキテクツは海外SaaSが成長し、上期最高益でストップ高。ソフトウエアテストのバルテスは通期予想を上方修正でストップ高。一方、HOUSEIは3日続落となり、日本電解は続落。セーフィーは赤字拡大予想でストップ安。

日足チャート上では大きくギャップアップとなり、ダブルトップを形成していた3月と6月の高値を上抜けた。高値引けとなり、1月18日以来の高値水準まで上昇。週足では4週連続の陽線となり、52週移動平均線を上抜けて視界も変わってきた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週のマーケットでは驚くべきことが起こりました。アクティビティストのバリューアクト・キャピタルがトレンドマイクロ(4704)の株式8%強を買い集めて、大株主に登場したことです。

バリューアクトと言えば、オリンパス(7733)の大株主となって取締役を送り込み、粉飾決算によって評判が地に落ちたオリンパスの事業改革を進めたことで知られています。オリンパスの株価は現在も上場来高値を更新しています。

バリューアクトはオリンパスのほかにも、任天堂(7974)、JSR(4185)、セブン&アイHD(3382)の大株主となっています。いずれも時価総額が5000億円を超える大企業で、バリュー株というよりもグロース株の一種と見られます。外部からの経営への口出しは必要なさそうに見えますが、どうやら実体はそうではないのかもしれません。

改革の余地などなさそうに見える日本の大企業ですが、海外からの基準で見ると必ずしもそうはならないということです。現在の株式市場にはそれだけ変革の余地があり、株価の上昇余地も備わっていると受け止めることができそうです。

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注目記事 Pick up
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【太陽黒点の示す「22年前」との類似性
日本証券新聞8月15日(月)紙面1面TOP記事掲載 

クレディ・スイス証券 白川浩道チーフ・エコノミスト語る

焦点の米国消費者物価指数は結局、市場予想を下回り、インフレ懸念沈静化による休み中の米国株高を受けた12日の日経平均は727.65円高の高値引け。3、6月の戻り高値を抜いてザラバベースで1月18日以来となる2万8,500円にも到達してきた。とはいえ、足元の経済環境が依然予断を許さないことに変わりはない。ここではあえて、「最弱気派」とも言えるクレディ・スイス証券・白川浩道チーフ・エコノミスト(写真)の10日夕刻のメディア向け電話セミナーにおける発言を紹介したい。岸田改造内閣など各分野に及んだが、特に興味深かった「太陽黒点」に関する部分を以下のようにまとめた。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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8月12日(金)☆[概況/大引け] 

727円高で高値引け。米国のインフレピークアウト期待とソフトバンクGの上昇を好感

大引けの日経平均は727円高の2万8,546円、TOPIXは39ポイント高の1,973ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,607、下落銘柄数は192。出来高は14億5,793万株、売買代金は3兆7,126億円。
米国のインフレ率の伸び率鈍化と、ソフトバンクグループが買われたことが投資家心理を改善させ、日経平均は反発し本日の高値で取引を終えた。

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