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コラム2022年10月28日

【本日のマーケット】10月28日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

10月28日(金)のマーケット                                                                   

10月27日の米国株式市場でNYダウは上昇。7~9月期のGDPが前期比年率2.6%増となり、市場予想の2.4%増を上回ったため、NYダウは序盤に549ドル高となったが、買い一巡後は上げ幅を縮め、194ドル高で取引を終えた。ITサービス管理プラットホームのサービスナウや重機械メーカーのキャタピラー、マクドナルドの決算がアナリスト予想を上回ったことで買われた。一方、半導体のウルフスピードは第1四半期の赤字が予想以上で、第2四半期の見通しもアナリスト予想を下回ったため大幅安となった。NYダウは前日比194ドル(0.61%)高の32,033ドル。ナスダックは続落。メタ・プラットフォームズが低調な10~12月期見通しを示したことで急落した。アマゾンやマイクロソフトも安い。NASDAQ総合指数は前日比178ポイント(1.63%)安の10,792。S&P500指数は前日比23ポイント(0.61%)安の3,807。

日経平均は続落。アマゾンの時間外取引下落と中国不動産債務問題で香港株が大幅反落となったことが影響。プライム市場では、ファナックが通期減益予想で売られ、HOYAは第3四半期のHDD基板が前年同期比80%減収観測で下落。三井松島は豪州の提携先が炭鉱拡張申請却下され急落。一方、OLCとイビデンは業績上方修正で買われ、シンプレクスは7~9月期業績改善で急騰。新光電工や富士通ゼネラルは富士通による売却観測で、買収価格にプレミアム期待。

スタンダード市場では、IAT社と資本業務提携のヤマトインダストリーは2日連続ストップ高。富士通が売却計画のFDKは急騰。Eインフィニティが上値を伸ばした。ヘリオステクノが売られ、田岡化学は続落となり、アイサンテクノロジーは反落。エイケン工業は大幅安となった。

グロース市場では、ドリコムが通期予想据え置きで失望された。坪田ラボが反落し、ケアネットやプレイドが安い。一方、バンクオブイノベが再び急騰。TKPとスマレジが上昇。FRONTEOは独自開発AIエンジンのコア技術が米国で特許査定を受けたことで買われた。

日足チャート上では、今週はNY市場の上昇を追随して堅調な展開。一時は2万7500円を回復し、75日移動平均線、一目均衡表の雲の下限レベルまで上値を伸ばした。しかしながら、上値は重く押し戻される展開。週足では長い上ヒゲが13週移動平均線で抑えられ、一目均衡表の雲の中に位置。下値は着実に切り上がっており、来週以降に期待を抱かせる形状。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。インフレが抑え込まれる兆しは依然として見えておりません。

米国の景気動向の基調は依然として強く、7-9月期GDPは事前予想の+2.3%に対して+2.6%という結果でした。3四半期ぶりのプラスです。それでも輸入は2年ぶりに前期比マイナスに落ち込みました。

また、中古住宅の販売件数は8か月連続の前月比マイナスとなりました。金利の上昇は住宅ローン金利を引き上げ、米国の住宅需要は鎮静化に向かっています。

日本でも物価の上昇は一段と顕著です。10月の東京都・消費者物価指数は前年比+3.4%の上昇でした。1982年6月以来、40年ぶりの上昇幅です(消費税による上昇を除く)。

政策金利の引き上げを緩和する状況にはないように見えますが、FRBは一歩踏み込んだ決断に動く可能性があります。ウォール・ストリート・ジャーナル紙の観測記事が先週、報じられました。次の11月FOMCにおいて「12月以降の政策金利の引き上げ縮小を検討し始める」というものです。

これによってすかさず株式市場の性格が変化しました。グロース株が息を吹き返しています。かつて東証マザーズ市場に上場していた小型成長株が次々と反転・上昇を強めています。

今週末はハロウィン、2022年の激流も終盤に入りました。金利はすべてに優先します。その金利(実勢金利)が今年5月、8月に続いて、三たび水準を変えようとしています。流れに遅れずしっかりとついてゆきたいものです。

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注目記事 Pick up
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【超値がさ株 分割ラッシュへ!?
日本証券新聞10月31日(月)紙面1面TOP記事掲載 

東証“要請”が波紋 当該企業は戦々恐々か

株式分割ラッシュの予感。27日引け後発行の東証リリース「投資単位の引下げに係るご検討のお願い」が市場参加者の関心を集めている。

2018年10月1日に「売買単位100株」へと統一されて4年余。東証は一貫して、1単位当たり投資金額は「5万円以上50万円未満の水準が望まれる」旨を唱え続けてきたが、一向に改めるそぶりを見せない超高株価企業に業を煮やしてか…。当該企業に対し、「株式分割の実施をご検討くださいますようお願い申し上げます」と、言葉遣いは丁重ながらも具体的な要請を行っている。ご丁寧にも、「投資単位が100万円以上の会社(10月26日時点)」として、コード番号、投資金額も付した38銘柄リストが添えられていた(ちなみに、出資証券である「日銀株」は含まれず)。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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10月28日(金)☆[概況/大引け] 

続落。ファナックとHOYAが売られ、三井松島はストップ安。OLCとイビデンは上方修正を好感

大引けの日経平均は240円安の2万7,105円、TOPIXは6ポイント安の1,899ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は600、下落銘柄数は1,171。出来高は24億1,034万株、売買代金は5兆7,689億円。
日経平均は続落。
TOPIXの浮動株比率調整のリバランスで大引けの取引が膨らんだ。

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