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コラム2023年1月20日

【本日のマーケット】1月20日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

1月20日(金)のマーケット                                                                   

1月19日の米国株式市場でNYダウは3日続落。週間の新規失業保険申請件数が前週比1万5千件減少し19万件となり、市場予想の21万4千件を下回った。企業から大量解雇が相次ぎ発表されているのに、新規失業保険申請件数が減少したため、労働需要が強いことから、FRBは賃金インフレを抑制するために金融引き締めを長期化し、その結果、景気が冷え込むと市場では警戒された。証券のチャールズ・シュワブが売られ、P&Gやホームデポ、キャタピラーといった消費関連や景気敏感セクターが下落した。医療保険のユナイテッドヘルスは上昇。NYダウは前日比252ドル(0.76%)安の33,044ドル。ナスダックは続落。テスラやエヌビディア、ネットフリックスが売られ、メタプラットフォームズとアルファベットは買われた。NASDAQ総合指数は前日比104ポイント(0.96%)安の10,852。S&P500指数は前日比30ポイント(0.76%)安の3,898。

米国株続落を受け、日経平均は小幅続落で始まったが、その後反発に転じた。中国が新型コロナウイルスの発熱外来や重症患者のピークは過ぎたとの認識を示したため、鉄鋼や海運が買われた。日本も春にコロナの感染法上の分類を下げるため旅行関連が高い。エーザイは米イーライリリーがアルツハイマー病治療薬で迅速承認を得られなかったため上昇。ダイキンやユーグレナが高い。メルカリやベイカレントは下落し、少子化対策関連のテノも反落。

スタンダード市場では、住石HDが買われ、電動キックボード関連のサンオータスは大幅続伸。エムケー精工は16年ぶりに最高益更新見通しと報じられたことで急騰した。日本製麻は筆頭株主から経営陣の退任を求める臨時総会の開催が請求されているため大幅高。ウエストHDが軟調。

グロース市場では、東京通信が推し活×メッセージアプリ「B4ND」を発表し大幅続伸。チームスピリットはいちよし経済研によるレーティング引き上げでストップ高。POPERは業務提携を好感。グッドパッチは東海東京調査センターによる格下げが響いた。CaSyが調整継続。

日足チャート上では日銀会合の日に大陽線を引き、その後は大陽線の値幅以内で寄り引けした「はらみ線」。酒田五法では変化の前提とされる。5日移動平均線、25日移動平均線を回復して、本日は高値引けで週末を迎えた。先週までとは流れが変わって来たか。週足では上に長めのヒゲを伴う陽線となり、一目均衡表の雲の下限にタッチ。来週以降に期待を抱かせる形となってきた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。昨年12月20日、前回の金融政策決定会合で突然、イールドカーブコントロールの誘導目標が拡大され、市場には少なからぬ驚きが走りました。その日から株式、債券、為替(ドル)の売り圧力が強まり、年明けもその流れが続いていました。

今回も何らかの変更が行われるとの見方は強く、事前予想が次々と積み上がって市場のセンチメントはどんどん一方向に傾くことになりました。それが「現状維持」と発表されたことから、一方向に傾いたポジションが一斉に解消され、水曜日の午後から株式、債券、為替(ドル)は瞬時に上昇するという結果に終わりました。

金融調節にばかり気をとられていましたが、マーケットを取り巻く状況は少しずつですが、変化の方向を強めているようです。それは企業の生産活動に現れつつあります。

鉄鋼の日本製鉄(5401)、非鉄の住友金属鉱山(5713)、電子部品の村田製作所(6981)、太陽誘電(6976)の株価は今週、年が改まってからの高値を静かに更新しています。これらはいずれも代表的な景気敏感株です。

2023年の年明け。主要国がこぞって景気後退に向かうと不安視される年明けに、景気敏感株の動きが徐々に上向きの力を備えてきた事実は見落とせません。これらの銘柄には特に注意していたいものです。

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注目記事 Pick up
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【中国のリ・オープン 景気敏感株、インバウンドなどにチャンス
日本証券新聞1月23日(月)紙面1面TOP記事掲載 

鉄鋼では日本製鉄、非鉄や海運もマーク

中国のリ・オープンを前提に鉄鋼や非鉄、海運といった景気敏感株、インバウンドなど中国関連の銘柄に再評価の機運が高まりそうだ。昨年12月にゼロコロナ政策を緩和した中国では感染者数が急拡大、公式な統計ではコロナ感染でおよそ6万人が死亡したとの発表があった。実際にはその何倍にも及ぶとみられるが、ある程度信頼できそうな数字もある。北京大学の国家発展研究院は1月11日までに国民の64%、およそ9億人が感染したと報告している。感染率が9割を超える省もあるとしている。春節(27日まで)時期の帰省で都市部から農村部に感染が移行し、「集団免疫獲得」→「感染拡大がピークアウト」→「経済の正常化進展」という、楽観的なシナリオに進むとの見方が広がりつつある。

足元の中国経済は厳しい。17日に国家統計局が発表した2022年10~12月実質GDPは前年同期比2.2%増で7~9月の同3.9%増から減速、22年通期では前期比3.0%増と政府目標の5.5%を下回った。また、以前から指摘されていることだが、少子高齢化の進展を裏付けるデータも明らかになった。

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今日の市況概況
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1月20日(金)☆[概況/大引け] 

中国のコロナピークアウトと日本のコロナ分類引き下げ予定を好感

大引けの日経平均は148円高の2万6,553円、TOPIXは11ポイント高の1,926ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,320、下落銘柄数は429。出来高は9億5,227万株、売買代金は2兆2,935億円。
中国国家衛生健康委員会の当局者は19日の会見で、新型コロナウイルスを巡る発熱外来、急診、重症患者のピークは過ぎたとの認識を示した。

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