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コラム2023年1月27日

【本日のマーケット】1月27日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

1月27日(金)のマーケット                                                                   

1月26日の米国では10~12月期の実質GDPが前期比年率2.9%増と市場予想の2.7%増を上回ったため、NYダウは5日続伸。米国の景気懸念が後退し原油先物が続伸となったため、エクソン・モービルとシェブロンが買われた。セールスフォースは、アクティビスト(物言う株主)のエリオット・マネジメントがセールスフォースの取締役候補の指名を準備していると報じられたことで上昇。一方、マスターカードは第4四半期の調整後1株利益がアナリスト予想を下回ったことで売られた。NYダウは前日比205ドル(0.61%)高の33,949ドル。ナスダックは3日ぶりに反発。テスラが急伸して上昇に寄与。2023年の生産台数について約180万台としたが、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が決算発表後のアナリスト向け電話会見で、この見通しは控えめだとし、予想外の混乱がなければ200万台に近づく可能性があると語ったことで買われた。NASDAQ総合指数は前日比199ポイント(1.76%)高の11,512。S&P500指数は前日比44ポイント(1.10%)高の4,060。

米国株は上昇となったが、来週本格化する決算を前に日経平均は小動き。金利上昇を受け銀行株が買われた。信越化学は1対5の株式分割を歓迎。日本電産が上昇し、安川電機はUBSによる2段階引き上げで高い。インテルが第1四半期の赤字見通しを示したためレーザーテックやアドバンテストは売られた。日本郵船と商船三井はモルガン・スタンレーが2段階格下げし続落。東邦チタニウムは10~12月期が経常減益で大幅安。少子化対策関連のテノは利益確保の売りで反落。

スタンダード市場では、技研HDがストップ高。政府・与党がミサイル攻撃から人命を守るシェルターの普及を促すと報じられたことが材料視された。寒波により「冷えとり4足重ね履きソックス」のナイガイが急騰。ミナトHDは中期経営計画を発表しストップ高。阿波製紙は信用取引規制で反落となった。

グロース市場では、イオレがDEA社とWeb3事業拡大で戦略的パートナーシップを発表し急騰。インパクトはMBO(経営陣が参加する買収)が発表され買取価格にサヤ寄せ。今年最初のIPO銘柄のテクノロジーズは2日目に公募価格の3.6倍で初値。保育所関連は反落した。

日足チャート上では、週初から連日で窓を空けての上昇。一気に200日移動平均線を回復し、昨年12月20日の“日銀ショック”以前の水準を奪還した。週足では、ギャップアップで一目均衡表の雲の中へ駆け上がり、26週移動平均線まで上昇。来週以降に雲抜けとなるか注目される。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。早いもので1月もまもなく幕を閉じます。

米国を中心とする世界経済のリセッション入りへの懸念は払しょくされませんが、一方で中国がゼロコロナ政策を全面的に解除したために、予想以上の急ピッチな回復も期待され始めています。

トヨタ自動車(7203)が2月9日に予定されている決算発表を待たずに、豊田章夫社長から佐藤恒治執行役員への社長交代を発表しました。これは間違いなくサプライズのひとつです。

信越化学工業(4063)、日本電産(6594)など、プライム市場の上場企業から発せられるリリースにサプライズが増えています。これは株価が転換期を迎えているひとつの状況証拠ととらえることもできそうです。ここからの決算発表の推移をしっかりと見守ってゆきたいものです。

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注目記事 Pick up
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【今なぜか? 時代は「九州」!!
日本証券新聞1月30日(月)紙面1面TOP記事掲載 

TSMC進出だけじゃない 新幹線、空港、ジャパネット…

豊富な観光資源を有することから、リオープン(経済再開)やインバウンド効果が期待される九州エリア。今回は「地元経済活性化」をテーマに注目したい。

昨年9月には、佐賀・武雄温泉と長崎を結ぶ西九州新幹線が開業。全長66キロメートルの“日本一短い新幹線”だが、早くも開業効果が表れているもよう。昨年12月の宿泊稼働指数は、佐賀県が82.8と前月に続いて全国1位に。県内の市町村別では、沿線自治体である武雄市が96.6と最も高く、同じく嬉野市が95.7で続いた。

これらは観光需要だけではない。九州では台湾の半導体大手・TSMCの熊本進出が呼び水となり、関連企業の設備投資が相次いでいる。ビジネスホテルを中心に、新工場建設に伴う関係者の需要が増えているそうだ。さらに、工場建設地の菊陽町では単身者向けの賃貸集合住宅の建設が進み、マンションやアパート用地の取り引きも増加。近年、福岡へ攻勢をかけるエストラスト(3280・S)、建設関連でヤマウHD(5284・S)ヤマックス(5285・S)が注目される。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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1月27日(金)☆[概況/大引け] 

決算発表本格化を控え、もみ合い。物価上昇で銀行株は買われた

大引けの日経平均は19円高の2万7,382円、TOPIXは4ポイント高の1,982ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は916、下落銘柄数は822。出来高は11億287万株、売買代金は2兆6,987億円。
来週の決算発表本格化を前に日経平均は小動きだった。
1月の東京都区部の消費者物価指数で変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が、前年同月比4.3%上昇し、12月の3.9%上昇から大きく拡大した。
インフレ圧力により、日銀が早期に政策修正を迫られるという見方から金利が上昇し、預貸利ザヤの拡大期待で、銀行株が広範囲に買われた。

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