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コラム2020年8月7日

【本日のマーケット】8月7日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

8月7日(金)のマーケット                                                                   

前日のNY市場では、NYダウは5日続伸。民主党のペロシ下院議長は、新型コロナウイルスに対する追加景気対策の交渉が前進しつつあると語り、トランプ大統領は失業給付拡充の延長や給与税免除について大統領令に署名する予定と述べたことが好感された。ナスダック指数は7日続伸。アップルが買われ、フェイスブックは写真・動画の投稿アプリ「インスタグラム」に、短編動画投稿の機能を追加したと発表し「TikTok」からの流入が期待されました。本日の東京市場は 米雇用統計と3連休を控えて見送り商状の中、売り物先行の展開。来週からお盆休みも控えており、薄商いとなりました。決算発表で個別株物色が続きましたが、香港市場の下落も警戒され日経平均は3日続落。大引けは88円安の2万22329円。

新興市場は底堅い展開。JASDAQ指数はわずかに続落。ワークマン、ケイブ、テラが下落。対して田中科研がストップ高。ホロンは第1Qで通期の営業利益計画を上回りストップ高です。マザーズ指数は反発。メルカリが初の四半期決算黒字となり急反発。時価総額も新興市場でワークマンを抜き1位となりました。テノは大幅増益で上昇。一方で、ベガコーポは大幅続落となり、メドピアは反落。

チャート上では、本日の終値で5日移動平均線をわずかに割り込むことになりました。来週は右肩上がりとなっている日足一目均衡表の雲の上限(2万2248円)がサポートラインとなるか注目です。 週足の一目均衡表では、雲(抵抗帯)の中を進行中。早晩に雲抜けを期待したいところです。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週は久しぶりに明るいニュースが広がりました。8月6日(木)に発表されたトヨタ自動車(7203)の決算です。

トヨタが明らかにした2020年4-6月期の決算は、最終損益が1588億円の黒字となりました。この時期は世界中で経済活動が止まっていた時で、各社とも売上げが2割から4割落ち込み、それに伴って日産自動車、フォルクスワーゲン、ダイムラー、GMなど大手自動車メーカーはいずれも赤字計上が避けられませんでした。

それがトヨタだけはひとり、黒字決算を計上するに至っています。中国市場での販売が他のメーカーに先駆けて回復しており、そこにトヨタがお家芸としている徹底した原価低減策が功を奏しました。

7月31日(金)に発表された「製造工業生産予測調査」では、7月は+11.3%の伸びとなっており、前月調査の+9,2%から上方修正されました。続く8月も+3.4%とプラスを維持しています。

中でも自動車産業の属する「輸送機械工業」は、7月に+35.2%の増加予想となっています。8月も+9.4%と高い伸び率が見られます。

先行きの予想は上方バイアスがかかりやすいものですが、サプライチェーンの混乱で工場の生産停止が余儀なくされた状況からは様変わりの状況と言えそうです。

リーマン・ショックからの立ち上がりもそうでしたが、まず自動車業界が底入れして、それが次第に他の素材メーカー、および部品メーカーに活動再開の動きが波及してゆきました。

ここでうまく自動車関連株にスイッチできれば、マーケット全体への波及効果はより大きくなるはずです。「グロース株vsバリュー株」の議論も活発ですが、バリュー株に出番が向かいやすくなるため、日経平均にも波及しやすい状況になるでしょう。自動車株の周辺の動きに期待したいところです。

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【コロナ契機に「ビジネス変化」も
日本証券新聞8月11日(火)紙面1面TOP記事掲載 

任天堂、DeNAの目標株価大幅アップ “ゲーム祭り”で急伸止まらず

米国雇用統計待ち、3連休控えの週末とあって売り先行ムードとなるなかで突出した人気を集めたのが一連のゲーム関連株。好決算の任天堂(7974)が一時4.5%高となり、7月7日高値(12年ぶりの高値)まであと1%足らずに急接近。売買代金も、ETF(上場投信)の日経レバも含めた全銘柄でトップに立つ活況ぶりだ。

好決算のゲーム株ではスクウェア・エニックスHD(9684)も負けていない。一時ストップ高(16.3%高)で実質最高値更新。直近12年間の8月相場10勝2敗の季節習性をいかんなく発揮し、こちらも売買代金10位だ。これらにつられる格好では、引け後に決算発表を控えたバンダイナムコHD(7832)が一時7.1%高。6月高値を払って2月以来の戻り高値水準に買い進まれた。さらに売買代金上位陣で、前日ストップ高のDeNA(2432)がこの日も一時10.6%の続騰となった。

任天堂(7974・月足)

7日の東京市場は、さながら“ゲーム祭り”の様相を呈した。思えば、約6年前、任天堂が一本かぶりの人気を集めた「ポケモンGO相場」も夏休みシーズン。折からのコロナ禍中でゲーム業界への強い追い風は6日発表の任天堂、スク・エニ決算が示した通りだが、ゲーム株へのアナリスト評価も高まるばかりだ。

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今日の市況概況
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8月7日(金)☆[概況/大引け] 

大引けにかけて下げ幅縮小。レーザーテックやSUMCO、日本ユニシス、資生堂が売られ、任天堂やスクエニ、島津は好決算で高い

大引けの日経平均は22,329.94円の88.21円安、TOPIXは1,546.74ポイントの3.14ポイント安。東証1部の値上がり銘柄数は908、値下がり銘柄数は1,183。出来高は11億8,938万株、売買代金は2兆2,781億円。
今晩の米国で雇用統計が発表されることや日本の3連休を控え、東証は3日続落となった。香港株続落が重石となり、日経平均は一時22,204円(213円安)となったが、終盤に下げ幅を縮めた。

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